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「資本主義の終わりか、人間の終焉か?」
尼崎で斎藤幸平講演会 7.4

2020/07/28
写真:コロナ感染対策のため斎藤幸平さんの講演はリモート中継で行われた=7月4日、尼崎市
 「資本主義の終わりか、人間の終焉か?」と題する、斎藤幸平氏(大阪市大大学院准教授)の講演会が7月4日午後、尼崎市で開かれた。主催は、尼崎で各種の活動に取り組んでいる各政治グループの超党派でつくられた実行委員会。
 コロナ禍という特殊要因があり、参加者を会場の定員の半数に抑えるために予約制にしたことや、リモート時代に対応したパブリックビュー形式を取り入れた、私たちにとっては初の試みであったが、幸い、一定の技術と先取の気持ちを持った若い人たちが取り仕切ってくれ、成功に終わった。
 講演では、欧米で強まっている若者たちの「エコ社会主義」を資本主義のオルタナティブとする運動の紹介とその意義、グレタ・トゥーンベリさんの「無限の経済成長というお伽話」に代表されるような運動の高まりが強調された。
 「グリーン・ニューディールは、資本の論理と対峙しない『緑のケインズ主義』であり、むしろアメリカのグリーン化のために地球上の限りある資源を採掘することになり、最終的に地球の限界と相いれない結果となる。そのためには現在の資本主義に対してのシステム、①生産の計画化と市場規制、②自由貿易にも大幅な規制を行い、よりローカルな生産や消費を重視する地域雇用の創出、③格差是正、④自然からの略奪にもとづいた近代的人間と自然の物質代謝の在り方の反省と、採取主義からの脱却が必要だ」。また、とくに「現状の危機を糊塗するための、フリードマンやMMT派(新金融政策派)は、今までどおりの生活を維持してくれるから魅力的に見えるし、選挙でも勝てるかもしれないが、待っているのは生態学的帝国主義だ」という提起には、ズシンと響くものがあった。(津野)「資本主義の終わりか、人間の終焉か?」と題する、斎藤幸平氏(大阪市大大学院准教授)の講演会が7月4日午後、尼崎市で開かれた。主催は、尼崎で各種の活動に取り組んでいる各政治グループの超党派でつくられた実行委員会。
 コロナ禍という特殊要因があり、参加者を会場の定員の半数に抑えるために予約制にしたことや、リモート時代に対応したパブリックビュー形式を取り入れた、私たちにとっては初の試みであったが、幸い、一定の技術と先取の気持ちを持った若い人たちが取り仕切ってくれ、成功に終わった。
 講演では、欧米で強まっている若者たちの「エコ社会主義」を資本主義のオルタナティブとする運動の紹介とその意義、グレタ・トゥーンベリさんの「無限の経済成長というお伽話」に代表されるような運動の高まりが強調された。
 「グリーン・ニューディールは、資本の論理と対峙しない『緑のケインズ主義』であり、むしろアメリカのグリーン化のために地球上の限りある資源を採掘することになり、最終的に地球の限界と相いれない結果となる。そのためには現在の資本主義に対してのシステム、①生産の計画化と市場規制、②自由貿易にも大幅な規制を行い、よりローカルな生産や消費を重視する地域雇用の創出、③格差是正、④自然からの略奪にもとづいた近代的人間と自然の物質代謝の在り方の反省と、採取主義からの脱却が必要だ」。また、とくに「現状の危機を糊塗するための、フリードマンやMMT派(新金融政策派)は、今までどおりの生活を維持してくれるから魅力的に見えるし、選挙でも勝てるかもしれないが、待っているのは生態学的帝国主義だ」という提起には、ズシンと響くものがあった。(津野)

写真:別室から講演した斎藤幸平さん