ひょうごミュージアム

ひょうご描き歩き163
八木遺跡公園(明石市大久保町)

2025/08/13
  旧浜国道の明石川に架かる大観橋から河口に出た海岸沿いに西へ伸びる道が「浜の散歩道」と名付けられている。海岸を西へ江井ヶ島まで約8㎞、アスファルト道が伸びている。サイクリングやジョギング、ウォーキングなど、海岸美を楽しむ人と行き交う。海の向こうの淡路の島影を見ながら、潮風に吹かれて散歩道を進んで行くと、林崎、松江、藤江、江井ヶ島と海水浴場や漁港が次々と続き、ハマヒルガオの咲く砂浜も。ウミガメの産卵地もある。諸所、朽ち果てた廃船が群れる砂浜もある。この散歩道の中程に絵の八木遺跡公園がある。近くに「アカシゾウ」の発掘地があり、その西に少し離れて「アカシ原人」の骨の発掘地もある。一帯は切り立った断崖が屏風のように連なる.風ヶ浦海岸で、地層が露出したこの崖で象の牙の化石が中学生によって65年ほど前に発見された。その後もその中学生は一人で発掘を続け、約6年間で97点に及ぶ骨の化石を採集したという。これらをもとに全身骨格標本が作られ、それによると体高は約1・5mとやや小型で、1mほどの長い牙を持つ。その複製標本は明石市立文化博物館に展示されている。かつて「アカシゾウ」と呼ばれていたが、今は「アケボノゾウ」と呼ばれることが一般的。今から120.180万年前に西日本一帯に生息していた。
(嶋谷)