新社会兵庫ナウ
水脈(2025年7月9日号)
2025/07/09
6月23日、沖縄は「慰霊の日」を迎えた。住民を巻き込む地上戦となった沖縄戦で犠牲になったのは日米合わせて20万人余。県民の4人に1人が命を落とした。糸満市では沖縄全戦没者追悼式が営まれ、多くの人々が不条理な過去の戦争を振り返った▼6月23日は、8月6日の広島、8月9日の長崎の原爆記念日とともに、過去の戦争の実相に向き合い、戦争の悲惨さに思いをめぐらせ、二度と同じ過ちを犯してはならないと思いを新たにする日でありたい。とくに今年は戦後80年という歴史的な節目の年であり、とりわけ沖縄をめぐっては辺野古新基地の建設や南西諸島の要塞化が強行され、多大な犠牲のうえに語り継いできた歴史とその教訓を歪めようとする動きもあるなか、「慰霊の日」の意味はさらに大きいものだ▼そんな思いをあざ笑うかのような衝撃的な出来事と発言が続いた。アメリカがイランの核施設に直接攻撃を行い、その後急転、イスラエルとイランの停戦合意となったが、この攻撃が戦争を終わらせたとして、本質的には広島・長崎への原爆投下と同じことだとトランプが発言した。だが、原爆投下を正当化するこの大統領の発言に日本政府は抗議ひとつできていないのが現状なのだ。