新社会兵庫ナウ

水脈(2025年6月11日号)

2025/06/11
 「米」という漢字が、別々の装いで、新聞やテレビで踊り狂っている。1つはアメリカを表し、いま1つは、豊葦原瑞穂の国(とよあしはらのみずほのくに)の昔に神様に授かったわが国の主食・米である▼アメリカが米と表記されるのは、幕末の亜米利加の漢字表記による。戦時中、敵性語が攻撃された時も、アメリカは日本人にとって大切な米と同じ漢字表記であった。「鬼畜米英」とわが国の主食は、同じ漢字であった。不思議なことである▼さて、わが国の主食コメである。米価高騰に対する国民の怒りが燃えさかろうとする時、油を注ぐ馬鹿な大臣の失言があって、大変な事態になった。更迭では済まず、発信力のある新大臣は5㌔2千円という「ハッタリ」に及んだ▼かつて「自民党をぶっ潰す」と言ったり、身内に刺客を放ったりした首相がいたが、そのDNAに頼らなければならなかったか。米価は安く安定したほうがいいが、ハッタリではその後が恐ろしい▼ 「行きは……帰りは恐い」という俚謡もある。米騒動が一歩一歩政治崩壊を進めているのは確かである。親子3代のハッタリに手を拍つわけにはいかない。参院選が真の米騒動になるよう、しっかりしたたたかいの方針を固めよう。