新社会兵庫ナウ

(2025年5月21日号)

2025/05/21
  ”タリフマン"を気取るトランプ大統領がそろそろ錯乱から醒めてもよい頃だと思うのに、「妄想」がますます酷くなるのか、今度は国外で製作された映画の輸入に100%の関税だ、と。他国の映画製作に対するさまざまな優遇策でハリウッドの映画産業は壊滅的な打撃を受けているという▼アメリカでも人気の日本のアニメ映画を日本政府がどれくらい優遇しているのかどうか知らないが、アメリカ政府が後世に残るようないい映画のためにハリウッドを支援したってちっともかまわない▼関税をめぐる日米交渉、今後の展開は不明だが、交渉では「国益」最優先と言うこの間の日本政府の対応は疑問だらけだ。まず、4月の交渉に突如割り込んできたトランプを前に「格下の格下」と卑下してみせた赤沢経済再生相。政府を代表する交渉人がこんな態度ではと、不安を覚えた人も多いのでは▼また、「日本にはアメリカ車が1台も走っていない」と難癖をつけるトランプに迎合するかのように自動車の安全基準の緩和や、遺伝子組み換えが懸念されるコメや大豆、トウモロコシの輸入増大という対抗カードで交渉に臨もうとしている。農業や国民の生命の安全を犠牲にする「国益」っていったい何なのだ。