新社会兵庫ナウ

おんなの目(2025年5月21日号)
税金について思うこと

2025/05/21
 「手取りを増やす」という謳い文句で所得税の非課税限度額を上げていこうと国民民主党が大きく取り上げて税制改正がなされました。
 この間、税金を払わなくていい方法、減税についての声が大きくなっています。物価が上がり生活が苦しくなって、手取りを増やしたい気持ちは分かりますが、それが税金を払わない方向へ向かうのが果たして良い方法なのでしょうか。
 私たちが健康で安心して生活するための元になるのが私たちの納めている税金です。昨年の秋、高校生に税金の話をする機会がありました。なぜ日本国憲法で納税の義務が課されているのか。日本では50種類の税金があり、なぜそんなに多くの種類があるのか。それは、私たちが健康で安心して生活を送るために必要な税金をみんなで負担していく、そして色々な税金の種類で幅広く負担する力に応じて広くなるべく公平に負担していただくために考えられています。
 その税金については、法律によって決められるので決めるのは法律を作る議員であること、また、その税金の使い方を決めるのも議員であること、その議員を選んでいるのは国民である自分たちであること、従って税金については自分たちで決めていることになります。
 だから税金の大切さを知ってきちんと納める、そしてその使い方についてもきちんと見ていく、そういう大人になってほしいと話しました。
 後日頂いた感想文で、〈税金を知ることの大切さ、納めることの大切さを知った〉、〈税はなくてはならないものだということを再認識しましたが、今みたいに消費税が増えたりするのも生活に支障をきたすのでバランスをとった税金をとってほしいと思いました〉等々、税金について考えた意見が多くあり、とても嬉しかったです。
 私が税理士になろうと思ったのは、岡崎宏美さんの選挙運動をしている時です。後援会長だった税理士の松沢清乃さんが、税金について、税金は正しく納め、その使い方についてちゃんと見ていくことが大切で、それを伝えるのが税理士の役割との話を強くされていました。税金はなるべく払いたくないという人が多い中、そういった姿勢で働いている姿に感銘を受けました。私も後に続くことができたらと思ったのがきっかけです。
 その人の持てる力に応じて働き、負担できる力(担税力といいます)に応じて税金を納め、そしてその使い方についてもきちんと見ていく、そういう姿勢で税金についてとらえることが大切だと思います。
 税金の制度はまだまだ満足できる制度とはなっていませんし、その使い方については納得いかないことのほうが多いと思います。
 「額に汗して働く者の流した汗が報われる社会を!」―私の好きなスローガンです。
 働く者の納めた税金を必要なことに大切に使っていってほしいと心から思います。
  納税者として義務を果たしながら厳しいチェックをしていくことで政治に参加していく、また、そのような見方のできる人を議会に送り出す、その活動の中でこれからの若い人たちに姿勢を示していくことが必要かと思います。
(大西美智代)