改憲の動きをウオッチング

(2025年3月26日号)

2025/03/26
■核禁条約締約国会議核抑止力論を厳しく批判
 国連本部で開かれていた核兵器禁止条約の第3回締約国会議は3月7日、「核抑止力は、すべての人の生存を脅かす」と厳しく批判する宣言を採択し、5日間の日程を終えて閉幕した。
 宣言は、核抑止力論について「すべての人の生存を脅かす核リスクの存在を前提にしている」と厳しく批判し、「核兵器の使用は破滅的な人道的結果をもたらす」と強調。核抑止力論は核兵器保有を正当化するものに他ならない。
 フランスのマクロン大統領は、こともあろうに締約国会議が開催されている最中に、ウクライナ情勢をめぐるテレビ演説で、ロシアの脅威がヨーロッパに差し迫っているとして「フランスが所有している核兵器による抑止力を、ヨーロッパに広げることを検討する」(NHK)と表明した。イギリス、ドイツも同調。
 先の宣言は、日本被団協が昨年ノーベル平和賞を受賞したことを祝福するとしている。
 会議の初日にスピーチを行った、母親のお腹の中で被爆した広島の「胎内被爆者」の濱住治郎さん(79)は、「初めて会議に参加したが、みなさんが本当に熱心に議論をしてくれて核兵器をなくさないといけないという思いが伝わってきた」、「被爆者が減る中で、どれだけ証言を続けていけるかだ。核を廃絶しないといけないという思いをもっともっと世界に広げて、核兵器を持っている国の考えを変えていかないといけない」(NHK)と核廃絶への決意を語った。
 NGOなどが企画したニューヨークで行われたデモに各国のNGOメンバーと一緒に、被爆者や核兵器廃絶を求めて活動している「高校生平和大使」らも参加。長崎の高校2年生の小林真夕さんが「広島と長崎に投下された原爆によって、21万人以上の命が一瞬にして奪われました。私が想像する平和に核兵器はありません」(同)と力強く訴えた。
 過去2回続けてオブザーバー参加していたドイツなどが参加を見送ったため、NATO加盟国からのオブザーバー参加国が無くなった。
■米国防次官 日本に軍事費3%要求 「なるべく早く引き上げを」
 トランプ大統領が国防次官に指名したエルブリッジ・コルビー国防次官は上院軍事委員会の公聴会で、日本に対し軍事費を「対国内総生産(GDP)比で『できるだけ早く3%以上』に引き上げるよう要求した」(時事) 。石破首相は3月5日の参院予算委員会で、「日本の防衛費は日本が決める。他国に言われて決めるものではない」(東京新聞)と強気の答弁。アメリカの言いなりになってきた日本政府に拒否ができるのか?
 日本は、2022年の「安保関連3文書」に基づき軍事費を27年までにGDP比2%(年11兆円規模)に引き上げる方針を決定している。GDP比3%になれば年16兆.17 兆円になる。過去最大と言われる25年度の軍事費は8・7兆円。国民生活破壊の大軍拡、軍事費増税は許されない。
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