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ピケティの『資本とイデオロギー』を読み解く
ひょうご社会主義ゼミナール

2025/02/22
岩佐卓也専修大学教授が1000ページを超えるピケティの著書のエッセンスを解読した=2月22日、神戸市兵庫区

 「ピケティの『資本とイデオロギー』を読み解く」をテーマに、ひょうご社会主義ゼミナールが2月22日、神戸市内で開かれた。
 岩佐卓也専修大学教授が、千ぺージを超える同著のエッセンスを3時間の講演で解説した。ピケティが駆使している統計データから9つを選び、その図表をもとに解説するという趣向であった。
 最も中心的なテーマは、「所得と資産」の格差が広がるなかで、なぜ極右政党が伸びているのかを読み解くことにあった。
 フランス革命によって「所有権社会=地主制+資本主義」になり、資本家に富が集中し、「格差」が生まれることになったが、20世紀に入り、所有権が制限される社会になる。ところが、1980年代に「能力主義」と「新財産主義」が結合し、貧者となるのは「自業自得」であるとされる社会になった。
 一方、左派政党が「労働者の党」から「高学歴者のバラモン(ヒンズー教の聖職者)」の党に変貌していく。その結果、大衆階級は「見捨てられた」と感じ、反移民論や自国第一主義イデオロギーが社会に根付いたということが指摘された。
 講演後の懇親会では、『科学的社会主義』1月号から連載が始まった岩佐教授による「『資本論』を味わう」を単行本で発行しようということになった。乞う、ご期待。
(佐野修吉)