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津久井進弁護士が講演
デマと脅迫から民主主義を守る集い

2025/02/13
集いには会場超満員となる220人が参加してSNSによる民主主義破壊と人権侵害の問題を考えた。写真内は津久井進弁護士=2月13日、尼崎市

 昨秋の兵庫県知事選をきっかけに、県議会「調査特別委員会」(百条委員会)メンバーらに対するSNSによる大量のデマ、誹謗中傷や脅迫などの攻撃が選挙後も続いており、一人の元県議が自死するという痛ましい事態までも起きている。こうした民主主義破壊と人権侵害の行為を許さないと、「百条委員会を守る市民の会」が2月13日、尼崎市内で「デマと脅迫から民主主義を守る集い」を開き、会場超満員の約220人が参加した。
 県知事選に立候補した稲村和美さんの後援会共同世話人で、選挙期間中のSNSでの妨害・攻撃に対して告訴状も提出した津久井進弁護士が講師を務めた。
 津久井さんは、今回の県知事選は、都知事選や米大統領選などと共通する「ウェブポピュリズムの台頭」が特徴だとして、古代ギリシャ時代から不変の本質的構造と変わらないと紹介。本質を知る格好の題材として、絵本『二番目の悪者』(2014年発刊)を読み聞かせた。ただそれでも、県知事選の期間中、SNSなどでのデマや名誉毀損行為を目の当たりにしても、「そのうちみんな分かるだろうと、自分から何も言わなかった。対抗言論の価値を低く見すぎていた」と悔やんだ。
 そして、実はSNS利用者には高収入の男性中間管理職層が多く占め、実名で誹謗中傷の投稿をする人も多いなど確信犯的であることから、「法律で『規制』すればなくなると思ってはいけない。事実検証に手間暇かかる新聞だけに頼ってもいけない。自分自身で投稿内容の真偽を検証し判断すること。おかしい内容には、ひとつひとつ自分で指摘・批判していくことが重要だ」と、SNSでのデマや誹謗中傷への闘い方を提起した。
 後半は、百条委員会メンバーの庄本えつこ、丸尾まき、北上あきひと各県議らが登壇し、百条委員会に臨む決意などを述べ、満場の拍手で激励を受けた。
(彩)