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私の主張(2025年2月26日号)
運動提起が見えない連合春闘切実な非正規労働者の賃上げ
2025/02/26
日々のくらしに欠かせない食料品や高熱費の値上げが止まらない。コープこうべに買い物に行くと、春キャベツ2分の1玉386円、白菜4分の1個214円、兵庫県産こしひかり5キロ4622円など、軒並み値上げである(2月上旬)。帝国データバンクの見通しでは、今年の飲食料品の値上げは前年を上回り、2万品目に達するという。しかし、政府の消費者物価指標で「生鮮食品」は除外されており、国民感覚とは乖離している。
こうして、家計2人以上の消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は、昨年28・3%に上り、43年ぶりの高水準となった。エンゲル係数は数値が高いほど生活に余裕がないことを示す。生存に直結する食費が最も削りにくいためだ。逆に所得が増えるほど食費の割合は低くなり、生活レベルは向上する。
◇
昨年の連合の賃上げは5・1%(ベア3・5%)、中小労組は4・45%。厚生労働省が昨年8月2日に発表した民間主要企業の賃上げ集計は1 万7 4 1 5 円、5・33%、いずれも前年を上回った。しかし、この集計は資本金10億円以上、従業員1千人以上の労働組合がある348社を対象としたもの。中小零細企業や非正規労働者は含まれていない。
25春闘を前に、大同生命保険が全国7千社の中小企業経営者に実施した調査によると、中小企業の賃上げ対応が二極化していると指摘する。24年に賃上げしたと回答した企業は58%で前年調査から3ポイント増加している。25年の賃上げ実施については、賃上げ予定33%、検討中36%、賃上げ予定なしが31%となっている。大企業と中小企業、正規と非正規、男女間などの賃金格差は依然大きい。
そんな状況下で2025春闘は始まっている。連合の賃上げ要求は、ベアと定昇を含めて5%以上、中小組合は1万8千円、6%以上とした。芳野友子連合会長は今春闘について、「賃上げの流れを定着させ、そのすそ野を中小企業や労働組合のない職場まで広げることが最大のミッションだ」と強調する。しかしそのためには、労働者の7割を雇用する中小企業や4割弱を占める非正規労働者が春闘の主役になる必要がある。
職場に労働組合がなく(100.999人の企業の組合組織率9・9%、99人以下は0・7%)、最賃すれすれで働いている者にしてみれば、「賃上げ要求1万8千円」と言われても、それはどこの国の話?となるだろう。
◇
問題は、掲げた要求を実効性あるものとするナショナルセンターとしての運動提起が見えないことだ。経団連や政府に「価格転嫁」を「お願い」するだけではなく、労働組合の主体的な闘いが問われているのだ。かつて「狂乱物価」といわれた1974年春闘では、ストライキを背景に32・9%の賃上げを実現し、年金の物価スライド制を導入させた。
いま大企業は過去最高益を更新し、内部留保は24年3月期で539兆円にのぼる。しかし、下請けで成り立つ中小企業は大企業に「価格転嫁」を阻まれ、そのしわ寄せが中小零細・非正規雇用労働者に押し付けられているのが現実だ。
この状況を変える闘いとして、注目されているのが「最低賃金1500円以上」の取り組みだ。石破内閣も唱える「2020年代に最賃1500円」を達成するには毎年7・3%、およそ90円の引き上げが必要となる。もうひとつが、今年3年目を迎える首都圏の非正規春闘実行委員会の取り組みだ。ストライキを背景に28組合が180企業、10自治体に交渉を申し込む予定で、約4万人が参加するという。この動きは関西圏でも具体化されつつある。
◇
兵庫の地域春闘の取り組みとしては、2月16日の「パートアクション」に続いて、3月8日に「兵庫たたかう仲間の集会」、3月12日に「春闘講演会」を実施する。現在の厳しい現状を打開するため、学び、行動する場としてぜひ参加してほしい。
春闘は働く人々が声を上げる最大の機会でもある。沈黙していては、くらしも労働条件も良くならず、大企業と投資家ばかりが潤う歪んだ構造は変えられない。企業の壁を越えた労働者のつながりと闘いが今ほど求められている時はない。
最後に触れておかなければならないのが、今年1月8日に厚生労働省が公表した「労働基準関係法制研究会報告書」である。この報告書は、昨年1月16日の日本経団連の「提言」を震源としている。結論を言えば、この内容は「労使自治」「労使コミュニケーション」という美名のもとに、労働基準法を逸脱するデロゲーションを「法定基準の調整・代替の仕組み」と言い換えて、企業が職場を都合よく支配するための道具として機能させるものである。それは結局、労働条件決定の仕組みから労働組合を排除することにつながるものと言わざるをえない。
岡崎進(ひょうごユニオン委員長)
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こうして、家計2人以上の消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は、昨年28・3%に上り、43年ぶりの高水準となった。エンゲル係数は数値が高いほど生活に余裕がないことを示す。生存に直結する食費が最も削りにくいためだ。逆に所得が増えるほど食費の割合は低くなり、生活レベルは向上する。
25春闘を前に、大同生命保険が全国7千社の中小企業経営者に実施した調査によると、中小企業の賃上げ対応が二極化していると指摘する。24年に賃上げしたと回答した企業は58%で前年調査から3ポイント増加している。25年の賃上げ実施については、賃上げ予定33%、検討中36%、賃上げ予定なしが31%となっている。大企業と中小企業、正規と非正規、男女間などの賃金格差は依然大きい。
そんな状況下で2025春闘は始まっている。連合の賃上げ要求は、ベアと定昇を含めて5%以上、中小組合は1万8千円、6%以上とした。芳野友子連合会長は今春闘について、「賃上げの流れを定着させ、そのすそ野を中小企業や労働組合のない職場まで広げることが最大のミッションだ」と強調する。しかしそのためには、労働者の7割を雇用する中小企業や4割弱を占める非正規労働者が春闘の主役になる必要がある。
職場に労働組合がなく(100.999人の企業の組合組織率9・9%、99人以下は0・7%)、最賃すれすれで働いている者にしてみれば、「賃上げ要求1万8千円」と言われても、それはどこの国の話?となるだろう。
いま大企業は過去最高益を更新し、内部留保は24年3月期で539兆円にのぼる。しかし、下請けで成り立つ中小企業は大企業に「価格転嫁」を阻まれ、そのしわ寄せが中小零細・非正規雇用労働者に押し付けられているのが現実だ。
この状況を変える闘いとして、注目されているのが「最低賃金1500円以上」の取り組みだ。石破内閣も唱える「2020年代に最賃1500円」を達成するには毎年7・3%、およそ90円の引き上げが必要となる。もうひとつが、今年3年目を迎える首都圏の非正規春闘実行委員会の取り組みだ。ストライキを背景に28組合が180企業、10自治体に交渉を申し込む予定で、約4万人が参加するという。この動きは関西圏でも具体化されつつある。
春闘は働く人々が声を上げる最大の機会でもある。沈黙していては、くらしも労働条件も良くならず、大企業と投資家ばかりが潤う歪んだ構造は変えられない。企業の壁を越えた労働者のつながりと闘いが今ほど求められている時はない。
最後に触れておかなければならないのが、今年1月8日に厚生労働省が公表した「労働基準関係法制研究会報告書」である。この報告書は、昨年1月16日の日本経団連の「提言」を震源としている。結論を言えば、この内容は「労使自治」「労使コミュニケーション」という美名のもとに、労働基準法を逸脱するデロゲーションを「法定基準の調整・代替の仕組み」と言い換えて、企業が職場を都合よく支配するための道具として機能させるものである。それは結局、労働条件決定の仕組みから労働組合を排除することにつながるものと言わざるをえない。