新社会兵庫ナウ
水脈(2025年2月12日号)
2025/02/12
阪神・淡路大震災から30年。倒壊した住宅、燃える街、避難所への炊き出しなど、残していた当時の写真を孫たちに見せ、地震の力の大きさと被害の惨状を伝える。地震は自然現象で、止められない▼自然災害の被災者支援を目的とした「被災者生活再建支援法」は阪神・淡路大震災をきっかけにできた法律である。震災後の1996年9月に被災者支援策を政府に要求して署名活動が始まった。私有財産に公費は投じられないという政府の考え方に対し、全国で2400万筆の署名を集め、被災地から国会行動を繰り返し、1998年、市民と議員が力を合わせた結果、成立した。だが、阪神・淡路の被災者には適用されず、義援金と復興基金が支援に使われた▼2011年、東日本大震災では恐れていた福島第一原発事故が起きた。元の場所に住めなくなった長期避難者への適用はなぜか認められず「自然災害」で論争。当時の民主党政権は東京電力に損害賠償の責任があると答えている。爆発は地震が原因にもかかわらず▼石橋克彦・神大名誉教授は30年の集いで南海トラフ巨大地震・原発震災に触れ「自然災害と共存せざるをえない人類は『過剰文明』からの脱却と節度ある人間活動」を力説した。