新社会兵庫ナウ

寄稿 阪神・淡路大震災30年、能登半島地震1年
被災地とSNSリテラシー
被災地NGO恊働センター 顧問 村井雅清

2025/01/22
 今年は阪神・淡路大震災から30年を迎えるという重要な節目になる。また、昨年はあろうことか元日に能登半島地震が発生し、9月には二次被害となる水害にも見舞われ、大惨事となった。
 この元日の地震からまもなくして、石川県知事が「ボランティアは、控えて」と発表したために、猫の手も借りたい被災地なのに、ボランティアの足は止まった。SNSでは、「行くな、行くな」のバッシングが情報を混乱させた。「SNSで叩かれるので、ボランティアには行かない」という若者も少なくなかった。
 ところで、昨年の都知事選および兵庫県知事選挙に目を向けると、いわゆる〝SNS戦略〞が当落を左右したことで注目された。〝石丸旋風〞という言葉に象徴されるように、東京都知事選では既成政党からの候補者は苦戦した。さらに兵庫県知事選挙では、兵庫県議会から全会一致で不信任決議を突きつけられ失職した斎藤元彦が返り咲くという稀有な結果をもたらした。
 この2つのSNSによって世間に与えた影響は通底していると思う。前者は、被災地の現状を正しく理解することができずに、〝空気〞に左右されること。後者は、情報量の多さに戸惑い、現実に何が起きているのかを正しく判断できないこと。
 どちらにも共通する課題は、私たち一人ひとりが現実を見抜く「SNSリテラシー」を持つことだろう。
 30年前に「ボランティア元年」を生んだ被災地を見て、「市民社会の萌芽」と絶賛されたことを忘れてはならない。