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介護保険めぐり神戸市に再度の要望申入れ
安心と笑顔の社会保障ネットワーク

2024/12/16
 安心と笑顔の社会保障ネットワーク(略称「安心ネット」)は12月16日、前年に続き神戸市介護保険課に介護保険をめぐる要望書を提出したが(写真)、今月7日に届いた回答書は、要望書とともに提出したアンケートに記載された現場の低賃金や介護職員の流出などの実態や苦悩に応えるものとは言えず、具体性に欠けるものだった。
 要望書提出時、菊地真千子・安心ネット代表が「要望書は、4月からの訪問介護の報酬引き下げについて市内148か所の事業所(全体の24・2%)への面談で集約したアンケートを踏まえたもの。報酬引き下げで『心が折れた』と廃業した事業所の話も聞いた。加算申請の大変な書類づくりで本業の訪問介護に支障もある。ぜひとも介護現場の悲痛な実態にもとづく改善を」と怒りと危機感を訴えた。
 安心ネットは、昨夏からユニオンたるみ、熟年者ユニオンとともに灘区と垂水区の全訪問介護事業所、兵庫区、長田区、須磨区の一部の事業所を訪ね、面談でアンケートを集めた。アンケートは「行政は現場のことなんか何も分かっていない」「経営難で事業所閉鎖になりかねない」「3年後の報酬改定までに財政支援を」「募集しても人が集まらない。時給を上げると経営が持たない」という苦悩や怒りの声ばかり。
 今回の要望書は、介護報酬引き下げの撤回など8項目の要望だ。昨年の介護職員の実態調査などの要望に加え、加算申請の煩雑な書類づくりへの市の支援実施や要介護高齢者の処遇困難ケースには市が直接対応できる公的な介護職員の配置の検討なども新たに求めた。神戸市の回答書は、従来通り、「コウベdeカイゴ」で十分対応できるとするだけだった。
 安心ネットは、要望書をもとに、2月には神戸市会での陳情・請願に取り組むことを確認している。
(菊地憲之)