新社会兵庫ナウ

水脈(2024年12月25日号)

2024/12/25
 2024年は元日の能登半島地震で始まった。津波や破壊的な強震を伝える報道に、自然の脅威と共に暮らしていると再認識させられた▼その復旧・復興が遅れる中、同じ地域が9月、豪雨による大規模な土砂災害に見舞われた。二重被害を受け、未だに瓦礫の処理さえできない地域も残る中、年の瀬を迎える住民には「安心」の二文字は遠い。地場産業の復興も個々人の努力だけでは進まない▼年明けで30年を迎える阪神・淡路大震災を経験した兵庫の人間は、自然の制御はできなくても、人的被害を最小限に抑える「準備」と、生活・生業の復旧・復興を自己責任に終わらせないための制度を求めてきた。その声が生かされない現状にもどかしさを感じる▼東日本大震災で起きた福島第一原発事故の教訓を自公政権は無視し続けている。廃炉の道筋も目途が立たず、事故から13年、初めて数グラムの燃料デブリの試験的取り出しが出来たに過ぎないのに、全国の原発再稼働に躍起になっている。福島第一原発で増え続ける汚染水の海洋放出、稼働する原発が排出する「ゴミ」処理も何一つ解決していない▼汲々とする毎日の暮らしだが、将来に平和で安全な社会を届けようと声を上げる来年にしたい。