新社会兵庫ナウ

若者の広場(2024年12月25日号)
パートへの敬なんば駅前広場再開発に潜む利権

2024/12/25
 皆さん、なんば駅前広場をご存知ですか?難波高島屋の目の前、かつてロータリーだった場所が、去年、広場に再開発されました。
 広場とは誰もが自由に遊んだり、音楽や芸術などの表現活動を行ったり、あるいはビラを配ったり何かを通行する人たちに訴えたり、こういうことが自由にできる空間だと思います。実際、なんば駅前広場の計画書では、使い方の例として、今挙げたような様々なことが書かれていました。
 しかし、実態は大きく異なります。今のなんば駅前広場には警備員が配置され、パフォーマンスやビラ配り、街宣などをする人を無理やり排除する空間になっています。警備員は、なんば駅前広場を使いたいなら許可を取れ、と言ってきます。しかし、その許可は、最低50万円という法外な使用料を払わなければ取れないのです。広場というのは、誰もが自由に使える空間のはずです。しかし、今のなんば駅前広場は大金持ちでもなければ使うことを許されない空間と化してしまっているのです。
 私は、約1年前から友人たちと、なんば駅前広場を自由な空間につくり変えることを目指す運動を行ってきました。最初は、何人かで集まり、コーヒーを淹れて飲んだり、スピーカーを持ってきて、音楽を流したり、マイクで喋りたいことを喋ったり、そんな集いを行っていました。この集いは、今も不定期的にですが、開催しています。
 一方、この活動を続けていく中で、なんば駅前広場はとても不透明で分かりにくい制度によって運営されていることが分かってきました。そこで、最近、広場での運動だけでなく、なんば駅前広場の今のような運用を可能にしている仕組みはどういったものなのかや、どういう経緯でなんば駅前広場が作られるに至ったかを調べて公表する取り組みも始めました。
 まだまだ分からないことばかりですが、少しずつ明らかになってきたことがあります。それは、なんば駅前広場再開発の名目の下、一部の民間企業に数十億もの公費が投入されていることです。今、その支出が本当に適切なものかどうかの検証を進めています。
 今、なんば駅前広場の他にも御堂筋や梅田でも、維新行政が主導して再開発が行われています。これの再開発が巨大な利権の温床になっているのではないかと私は疑っています。
 維新は、外郭団体や中間団体が利権の温床になっていると主張し、こういった団体への支出の大幅削減を行ってきました。しかし、実は、大阪市が支出している委託費は減少していません。支出先が、外郭団体や中間団体から民間企業に変わっただけなのです。この「改革」は、むしろ利権を生み出してしまったのだと思います。しかも、より一部の大資本だけに恩恵があるような利権をです。なんば駅前広場や他の再開発は、この利権構造の一端でしかないはずです。
 これからも、なんば駅前広場を起点にして維新が生み出した利権構造を白日の下に晒す運動を進めていきたいと思っています。
(YK)