ひょうごミュージアム

ひょうご描き歩き157
権現ダム(加古川市平荘町)

2024/12/25
 2国の加古川橋から北へ土手道を進むと2㌔に平荘湖、さらに5㌔ほどで権現ダムと2つの大きな工業用水ダムがある。加西市に抜ける県道沿いにある権現ダムは、約40年前に造られ、3つのダムがある。駐車場のある南端の第一ダムが最も大きく、堰堤の高さ33m、長さ357m、コンクリートを使わず岩石と土砂を積み上げたロックフィルダムで、堰堤の南斜面にソーラーパネルが並ぶ。この堰堤の西端に、スケッチ画のようにぐねぐねと何重にも折りたたまれたようなラビリンス型の自由越流頂をもつ洪水吐が設けられている。
 権現湖の周りは約10㌔の外周道路で整備され、休憩所も所々にある。湖岸を辿り奥に進めば叢林の静寂が続く。ここもまた水鳥の宝庫で、バードウォッチングが楽しめる。このダム湖周辺は「加古川右岸自転車道」の一部で、サイクリング道路として整備されている。周辺には古墳が点在する。
 平荘湖ダムからの送水だけでは工業用水の需要に応じられなくなって権現ダムは造られたが、住み慣れた土地を離れ移住を強いられることに反対した中山集落は湖の北西端の湖底に眠る。この権現湖の西に赤松城跡のある城山(中道子城跡271m)がそびえていて、その山頂からも湖面が見える。
(嶋谷)