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戦争ではなく平和の準備を
長田区で青井美帆さんの講演会
市民と野党の長田共同アクションが開催

2024/11/24
青井美帆さんは「私たちの考える平和主義の中心は『人権』だ」と憲法13条の重要性を強調した=11月24日、長田区文化センター

 市民と野党の長田共同アクションが11月24日、講師に青井未帆さん(学習院大学大学院教授)を招き、「戦争の準備ではなく平和の準備を」をテーマにした講演会を神戸市長田区内で開いた。
 青井さんは講演の冒頭、「兵庫県知事選挙は外から見ていてよく分からない。投票率を上げたスイッチがどこにあったのか、選挙運動が新たな局面に入ったのか、精査しないといけない。戦争と平和はこういう所から変えられていく。安保問題は票にならないとされてきたが、一気に進む危険性がある」と切り出した。憲法改正国民投票になった時だけでなく、うそやデマが広げられる危険が大きいということだ。
 2013年以降、安保政策の〝大転換.は憲法論から切り離されてきていると指摘し、内閣法制局人事、特定秘密保護法、NSC法、集団的自衛権行使容認の閣議決定、安保法制、「安保3文書」の閣議決定、経済安保法、経済秘密保護法、地方自治法改正……、と憲法論を抜きにした安保政策が続いてきたと解説した。
 また、22年の安保戦略では、「国家としての力の発揮は国民の決意から始まる。……国民が我が国の安全保障政策に自発的かつ主体的に参画できる環境を政府が整えることが不可欠である」と、『ひとごと』から『自分ごと』への転換が目指されているとした。
 「私たちが考える恒久平和主義の中心は『人権』だ」と、個人と国家の関係と憲法13 条の重要性を青井さんは強調。さらに、『戦争被害受忍論』を許してはいけない。国家の安全ではなく、憲法13条は人格的生存に関わる重要な権利として、自己の意思に反して身体の侵襲を受けない自由を保障している」とも訴えた。
(小城)