新社会兵庫ナウ

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介護保険改悪反対に取り組んで

2024/12/11
 2000年から始まった介護保険制度は3年ごとに改悪され、今年はその3年ごとの改定期の最終年度だった。政府の社会保障審議会の議論では、①保険料の引き上げと利用者2割負担の改悪、②要介護1、2を介護保険から切り離して総合事業にすることなどが明らかにされていた。一方、介護職員の賃金・処遇改善については触れられなかった。
 介護保険は年金から天引きのため負担感があまりなく関心が集まっていない現実がある。私たちが街頭署名をしていても肌身に感じたことだ。
 県下で介護保険の改悪を許さないとする団体が賛同して昨年10月、「史上最悪の介護保険改定に反対する兵庫の会」を結成し、街頭署名活動やパブコメへの意見提出、自治体への申し入れや議会への陳情などの取り組みを行った。「兵庫の会」に参加したのは、熟年者ユニオン、アイ女性会議ひょうご、安心と笑顔の社会保障ネットワーク、ろっこう医療生協、憲法を生かす会・ひょうごネット、ひょうごユニオン、自治体退職者会兵庫県本部の7団体だった。
 街頭署名は延べ33回、延べ参加者は293人だった。588筆を集めた人、独創的に自ら家庭訪問を行い100筆近くを集めた人もいた。街頭署名は尼崎、西宮、芦屋、宝塚、神戸市内各区で取り組まれた。ろっこう医療生協は組合員に署名用紙を送り400筆を集約した。それ以外にも独自の街頭行動で署名を集めた。集まった署名は全体で3755筆を数え、今年2月22日に厚労大臣に提出した。
 この運動では多くの議員にご協力をいただいた。粟原神戸市議をはじめ、香川、赤田両神戸市議(口頭陳述に採択に賛成)。梶川、大島両宝塚市議は宝塚駅での署名活動でマイク担当を務めてくれた。山口芦屋市議は街頭行動で仲間とともに署名を集めてくれた。大椿参議院議員には署名簿提出の紹介議員となっていただき「4・21討論集会」にも参加してもらった。こうして各議員とも接点ができたことは今後に向けた大きな成果と言える。
 「兵庫の会」は、5月28日に開いた運営委員会で今回の運動の終了を確認し、解散を決定したが、10期を待たずに介護保険のさらなる改悪の可能性があるので介護保険改悪反対の声は上げ続けねばならないと考えている。
加納功(熟年者ユニオン事務局長)