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非正規問題等で講演と交流
禿あや美さん(埼玉大学)が講演
第27回働く女性の交流集会

2024/10/26
講演では職務の価値を明確にするものさしと目盛りの必要性と労働組合の力の重要性が強調された=10月26日、神戸市中央区

 第27回働く女性の交流集会が10月26日、神戸市内で開かれ、職場報告や講演が行われた。
 臨職評からは、勤勉手当が正規職員と同じ支給率になった成果の一方、住民への公平な機会の保障のためと、毎年、公募と試験がされ、経験や熟練は考慮されない実情や病気休暇や短期介護休暇の無給が続いている実態が報告された。
 社保労連からは、労働組合を身近なものにと、組合員同士の交流やBBQ交流会、子育て中の組合員向けのママパパ交流会などの企画の工夫が報告された。
 講演は禿あや美さん(埼玉大学)で、「なぜ雇用形態による処遇の格差はつくられたのか―ジェンダー視角から見る」がテーマ。雇用・労働の場ではこの30年の間に、女性労働者の非正規化を中心として人件費の削減、非正規化が進んでいると述べ、自治体で見れば、94年には正規93%・非正規7%から、20年には正規71 %・非正規29%となっていると指摘。
 公務員は労働法が最小限で、労働組合も弱くなっている中で、非正規職員は職務に関係なく低賃金が当然視されているが、労働者同士が対立・反目していてはこの状況は変わらず、この状況を変える推進力として、「職務」と「賃金」を数値化することと労働組合の力があげられた。
 「職務評価」について、職務の価値を明確にするものさしと目盛りが必要だと詳しく紹介された。東京での調査では、職務評価は正規100に対し、嘱託職員88で、賃金比率58。臨時職員(会計年度職員)は63・5で、賃金は31。かなりの引き上げが必要だ。
 正規職員の働きすぎと非正規職員の不安定、低賃金の是正には、同時に交渉・条件向上の取り組みが必要であり、労働組合の力が重要なことが提起された。
(小城)