ひょうごミュージアム

ひょうご描き歩き156
圓満寺五重塔(加古郡播磨町)

2024/10/23
  JR土山駅から西へ散策路「であいのみち」が大中遺跡まで1km余り続いている。40年前に廃線となった別府鉄道の線路跡が緑道に整備されていて、喜瀬川に架かる吊り橋型のメロディ橋「ふるさと橋」では音響板を叩くと唱歌「ふるさと」を奏でられる。また、この道には四季折々の花が植えられ、縁石には25mごとに100年さかのぼるマイルストーン(タイル)が張られ、大中遺跡西端までの2千年の時間旅行が楽しめるようになっている。
 この緑道に隣接して野添北公園があり、複合遊具を備えた「ちびっこ広場」、水遊びができる「はだかの池」、芝生を敷き詰めた「はだしの森」などがあり、日本庭園には茶会や研修のできる「蓬生庵」が風情を醸し出す。
 そのすぐ近くで突然目に飛び込んでくるのがスケッチの圓満寺の五重塔で、高さ42m、住宅地の中で際立って高くそびえる。弘法大師が開いたとされる圓満寺にはもともと五重塔はなく、近くに建つ「野添の大寺」と呼ばれる無量壽院の住職が隠居後に過ごす寺として約30年前に奈良の法隆寺五重塔を模して建立したものらしい。この五重塔は納骨堂で、鉄筋造り、エレベーターがついていて最上階まで上がれる。そこからは播磨平野が一望でき、海を隔て淡路島も近い。
(嶋谷)