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王子プール解体工事めぐり
アスベストの問題を考える市民団体が住民説明会

2024/09/22
神戸市は説明会への参加を拒み、アスベスト問題は専門家の市原直尚さんが解説した=9月22日、神戸市灘区

 神戸市が進める王子公園再整備の手始めとして、王子プールの解体工事が9月下旬から始まっているが、プールの建材にアスベストが含まれていることが、8月24日に神戸市が開いた住民説明会で明らかになった。
 プール周辺は住宅や学校が多く、説明会に参加した市民やアスベスト専門家からは不安の声や撤去工事に関する質問が出されたが、市側からは十分な回答はなかったことから、「『王子公園・市民ミーティング』実行委員会」と「みんなの王子公園&動物園の会」は9月22日、市民サイドから「王子プール解体工事住民説明会」を開催し、約50人が参加した。
 主催者は事前に神戸市に対し、22日の住民説明会に出席して改めてより丁寧で十分な説明を行うよう求めたが、市は出席を拒んだ。そこで、この日はアスベストの専門家である市原直尚さん(アスベスト含有建材調査者、一級建築士)からの説明を聞いた。
 説明に先立ち、あわはら富夫、味口としゆき両神戸市議からこの間の市とのやりとりが報告されたが、あわはら市議は「情報を公開し責任を持って説明を尽くすことが、事業を進める者の最低限の務め。住民への説明を怖がることは住民自治の否定につながる」と述べた。
市原さんは「神戸市は、飛散度合いは低く適切に処理すれば飛散しないとしているが、神戸市が示したアスベストの除去方法では対策が不十分だ」「工事日程に縛られて十分な調査をしないで住民説明会をしてしまったことが問題」などと指摘。 参加者からもより詳しい説明を市に求める声が多くあがった。
 これらを受け、主催者は9月25日に神戸市側と面談し、今後の取り組みなどについて質問し説明を求めた。
 (中村)