新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ440
外国人労働者と人権侵害

2024/10/09
  はりまユニオンでは年に1度のペースで外国人労働者からの相談を受けている。
 2022年は、加西の工業団地で働くベトナム人実習生が契約途中にもかかわらず帰国を命じられ、ユニオンに相談してきた。団体交渉を申し入れてからは、管理団体が日本で継続して雇用するとの回答を示し、事態は収まった。
 2023年は、小野市内の建設会社に働くフィリピン人(女性・40代)から、①契約では勤務時間が午前8時から午後5時なのに午前7時から働いている、②社長のパワハラ・モラハラがひどく、「ちゃうやろ!」「はよせんかえ!」と常に罵声を浴びせられる、③ユンボですくった土をわざとかけてくる、などの電話相談を受けた。一度面談し、ユニオンの組合員になる説明(入会金、月々の組合費等)をしてからは連絡がないので、気がかりなところだ。
 さて先日、旗手明さん(公益社団法人自由人権協会理事)の講演を受けた。「技能実習から育成就労へ.人権問題は解決するのか.」というテーマ。「新たな制度( 育成就労)も、現行制度(技能実習)に関わる送出し機関、管理団体、技能実習機構等はすべて温存される。300万人を超える外国人がさまざまな形で在留する日本社会は、外国人なしに社会の維持可能性を構想しえない段階に入っている。他方、海外からみれば、円安も含め日本は以前ほどの魅力を失ってきている。厳しい人口減少に直面する日本社会の労働力不足をローテーション政策で補うことはもはや困難だ。すでに移民社会である日本社会の現実を直視し、基本的に外国人が望めば定住できるとする外国人労働者政策を採るべき時が来ている」と総括された。
 参加者から「日本人と同じ待遇をしている建設会社もある」との発言もあったが、旗手さんは「そのような会社は数パーセントにすぎない。会社が良くても有力な議員が支配する機構が手数料を吸い上げている」と闇の情報もチラリ。
 今後、はりまユニオンも外国人労働者問題の学習をしていかなくてはならないと思った。
北川寿一(はりまユニオン副委員長)