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明石川流域PFAS汚染
検査の半数が「指標値」超え
明石の市民団体が血液検査結果報告

2024/09/08
 明石川が発がん性の疑われるPFAS(有機フッ素化合物)に基準値超えで汚染されている問題で、市民団体「明石川流域のPFAS汚染を考える会」は9月8日、今年7月に周辺住民33人(15歳.83歳)を対象に行ったPFAS血中濃度検査の結果報告会を開き(写真)、検査対象の約半数が健康に影響の恐れがあるとされる米国の指標値を超えたと発表した。
検査対象は、明石川を水源の一部として利用する市内2つの配水場地域に10年以上連続して在住する市民。
 検査に参加した33人の汚染レベルは、特にPFOA(1万種類以上あるとされるPFASの内の1つ)に関して極めて高く、そのレベルは、高濃度のPFASが検出されたダイキン大阪拠点周辺の住民約1千人を対象とした血液検査で最も高いPFOA濃度となった摂津市や東淀川区のレベルに匹敵、あるいは超えていた。PFOAはWHOの専門組織(IARC)が「発がん性がある」と認めている。
 検査人数が少なく統計的に明確ではないが、血中濃度は、明石川の河川を原水とする率が最も高い東部配水場を利用する地域に高く、水道水を飲料水として利用している人に高く、浄水器の利用で低減されていたことから、主な汚染源は水道水と推定されるとした。
 「考える会」は、昨年、丸尾まき県会議員と小泉昭夫京都大学名誉教授らが、明石市民の血液検査や汚染源調査のための水質調査などに取り組み、明石川流域のPFAS汚染を明らかにしたことをきっかけに結成。以降、明石市や汚染源とされる産廃処理場がある神戸市に対して実態調査や原因の除去を求めて働きかけを行ってきたが、反応はなかった。世界に比べ、PFASの規制に関する日本の法整備が大変立ち遅れていることから、当事者の自分たちが実態を明らかにしていくしかないと、今回、西淀病院の協力を得て自主的に血液検査を行った。
(S)