新社会兵庫ナウ

水脈(2024年8月28日号)

2024/08/28
 8月8日、日向灘を震源とした地震が起きた。震度6弱だったが、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を地震後1週間にわたって出した。この間、各地で地震が起き、南海トラフと聞くだけで恐怖を覚えた▼南海トラフ防災対策基本計画での耐震化は追いついておらず、政府の予測は死者数32万余、倒壊・消失建物238万棟、経済損失215兆円、東日本大震災の10倍とする。「国土強靭化基本計画」なるものが減災に結びつくのか▼阪神大震災から30年近い。「忘れた頃に」とも言われる災害。大寒の時期の経験は真夏の今とは違いすぎるが、店頭では飲料水が売り切れ、食品備蓄が再確認されている▼元旦に起きた能登地震の被災地は復旧が遅れに遅れている。真冬に被災して、今は猛暑の避難所生活。地震で助かった命が災害関連死へと悲しい報道が続く。直後に起きた台湾での地震対策の速さに日本政府は学ぶべきだ▼地震だけではない。線状降水帯による水害も相次いでいる。降雨予測ができても川は氾濫し、住宅・農地の被害は繰り返される▼一刻も早く自衛隊を「災害救助隊」に改編し、災害列島対策を進めよう。軍拡予算は災害対策に回し、住民の命を守る備えをつくろう。