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能登半島地震被災地救援
ボランティアに参加して

2024/06/14
輪島市の朝市エリアは震災直後とほとんど変わらない風景が残ったまま=輪島市

被災から半年。復興の遅れを実感


 「令和6年能登半島地震」連合被災地救援ボランティア(第12クール)に参加しました。ボランティア活動は6月10日〜14日の5日間。総勢57人が全国から集まっていました。派遣先は珠洲市と輪島市で私たちJP労組からの参加者は輪島市で活動しました。
 活動内容は、輪島市社会福祉協議会に代わって住民の状況・ボランティアニーズ把握の「ききとり訪問」を行うのがメインです。
 毎朝7時に宿( 七尾市・和倉温泉)をバスで出発し、1時間半かけて輪島市入り。2人1組4人でレンタカーに乗り、渡された地図を片手に、軒並み訪問のローラー作戦です。全壊・半壊の家も多く、地域によってはほとんど避難所や仮設住宅に移っていると思われるエリアもありました。
 困りごとはないですか?と尋ねると、「ありすぎて何を頼んでよいか」と言う方もたくさんいました。公費解体の申請は通っていても、いつになるかは全く見通せないそうで、「今年中には無理では」と口々におっしゃっていました。
 輪島市は朝市のエリアがニュースではよく取り上げられますが、それ以外の場所の被害も大きく、黒い瓦屋根にブルーシートがかかった家がほとんどです。「震災2週間後に来たのか?」と思うぐらい復興は進んでいません。倒壊した家が歩道に崩れていたり、車の行き交う道路に家屋が崩れたままの場所もありました。道路の状態も悪く、幹線道路ですらバスに乗っていたら車酔いをしそうになるほど揺れます。
 住民の方から要望を聞きながら、私たちでできることは社協に連絡を入れ、作業を行いました。濡れてしまった畳を2階から運び出したり、家具や電化製品の運び出しをしたり、倒壊した建物に保管してあった貴重な輪島塗(大きな絵画のような作品)十数点もガレキを撤去し運び出したりしました。
 被災された方々の声を直接聞くという貴重な体験をさせてもらいました。参加者みんなで寄せ書きし、私は「一日でも早く健康で文化的な生活がとり戻せますように!」と書きました。
 阪神・淡路大震災と比較してこの復興スピードの違いは何なのかと考えさせられました。国や県を挙げた力強い支援が必要です。
(明石・日置孝)