新社会兵庫ナウ

水脈(2024年7月24日号)

2024/07/24
 こんな時代錯誤が通用するのか。自民党元衆議院議員の笹川尭氏が党群馬県連大会で行ったあいさつだ▼「お金を出したら人口が増えると思ったら大間違い。やっぱり男がしっかりしないといけない。あなたの子どもならぜひ産みたい。そういう気持ちになるような旦那が増えなきゃだめだ」「みんな胸に手を当てて反省してください、子どもの少ない人は」▼こうも言う。「もちろん人間のことですから、子どもができない人もいる。しかし、その人はその人として働いて、世の中のために尽くしているからそれはそれでいい」「男がしっかりすれば、必ず女性は子どもをこしらえてくれる。頼まなくても、わが愛する主人のために子どもを産もうとなる。お金の問題ではない」会場には非難の声ではなく、笑い声が響いていた▼うんざりする。男らしさとか男の甲斐性とか、性的少数者への「生産性が無い」発言だとかを、どこかで黙って許容してきた社会がある。女は子を産み、社会のために育てる役割において評価される時代の再来を、憲法改悪とセットのように企図する勢力もある▼人間を消耗品扱いし、対象を絞り込む「手当」で黙らせる。少子化の背景にある分断社会を何としても変えたいものだ。