新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ435
介護保険改票反対運動を総括

2024/07/24
 「史上最悪の介護保険改定に反対する兵庫の会」(以下、「兵庫の会」)は5月28日に解散を決定したが、熟年者ユニオンとしての総括文を「会報7月号」から抜粋して報告する。
 運動の結果は、①自己満足的だが、利用者負担の2割化と要介護1、2の介護保険からの切り離しが先送りされた。②さらに、神戸市の保険料値上げが当初の予想よりかなり抑えられた。③しかし、介護職の賃金は春闘相場に比べ少ししか上がらず、また訪問介護では給付が切り下げられた。
 神戸市に限れば、パブリックコメントないし口頭陳述への回答は、誠意が感じられないものであった。また、第9期事業計画でも施設の拡充等は一切触れられず、無責任さが露見した。
(1)熟年者ユニオンの昨年の3回にわたる「介護保険制度を考える集い」勉強会は、会員の運動への意志確認であった。
(2)署名総数3755筆は運動の内実を表した。①街頭行動に力を注入し、街頭で市民の理解を深める活動を重ねた。街頭署名行動は33回、延べ参加者293人、街頭での署名数は1588筆(全体の約半数)で、成果を上げることができた(数字は「兵庫の会」全体の集計)。②自らの工夫で100筆以上を集めた人をはじめ、熱意ある人々が全体数を押し上げた。③街頭行動は、阪神間、宝塚、神戸市各区、明石で行われたが、明石以西や内陸部に広げられなかった。熟年者ユニオン及び7団体の組織的限界を感じさせるものとなった。
(3)粟原・香川・赤田の神戸市議3氏、梶川・大島の両宝塚市議、山口芦屋市議には街頭行動および議会での協力を得た。さらに大椿参議院議員は署名簿提出に尽力してくれ、「4・21討論集会」にも参加してくれた。各議員との接点ができたことは今後の運動に向けた成果である。
 今後も、厚労省の訪問介護職の給付減額反対、先送りの課題が第10期を待たずに実施される可能性があり、介護保険改悪反対の運動は継続を余儀なくされている。
菅沼祥三(熟年者ユニオン)