ひょうごミュージアム

ひょうご碑物語79
平和祈念の碑(加西市鶉野町)

2024/07/10
旧鶉野飛行場の滑走路跡が現存する「soraかさい」エリアの入り口にこの碑が立つ

 第2次世界大戦が激化し始めた時、戦闘機のパイロット養成を目的に1943年(昭和18年)、加西市鶉野町に長さ1200m、幅60mの鶉野飛行場が出現した。農民など1千人を動員し、手作業とトロッコだけで1年足らずで完成させたという旧日本海軍の空港で、姫路海軍航空隊が開隊された。
 川西航空機姫路製作所で作られた「紫電」「紫電改」などを一旦3つに分割し、3頭立ての馬車で(車の振動による機体の損傷を防ぐため)滑走路の南西にあった川西航空機製作所鶉野工場に運び、敗戦までに500機余りの戦闘機が組み立てられた。全国から飛行機操縦訓練のため多くの練習生が集められ、厳しい訓練を受けた。1944年(昭和19年)からは戦況が悪化する中、海軍では、神風特攻隊が編成されたが、そこに従軍した訓練生も多いという。
 碑は、戦争のない平和が永遠に続くことを願い、元隊員や遺族、地元の有志などにより1999年に建立された。
 (森山)
【メモ】北条電鉄・法華口駅から北へ約3㎞の加西市地域活性拠点施設「soraかさい」の入り口にこの碑がある。周辺に防空壕跡、爆弾庫跡、対空機銃座跡などがあり、滑走路跡も現存する。神戸から車で約70分、電車で約75分。