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声明 「斎藤元彦兵庫県知事は即刻辞職を」

2024/07/16
兵庫県庁と道を挟んで向かい側にある新社会党県本部事務所の窓に横断幕=7月16日

 今年3月中旬、当時の西播磨県民局長が、斎藤元彦知事や県幹部らのパワハラや違法行為など7項目にわたって内部告発した問題は、その疑惑の調査のために県議会によって設置された百条委員会で証人として出席する予定だった当の元西播磨県民局長が7月7日、委員会を前に自死するというきわめて遺憾で悲しむべき事態となりました。
 
 元県民局長の告発文書は、斎藤知事が、職権で自らの選挙運動への幹部職員の違法な動員、特定企業や業界との癒着、異常な金品の請求、度を越した職員への叱責・恫喝・罵声などを行ったことを指摘したもので、事実ならば知事としての資質が当然厳しく問われるような内容でした。
 
 この内部告発文書をめぐるこの間の一連の経過を振り返れば、今日の異常な事態に立ち至った責任は、斎藤知事自身の責任に帰するところ大と言わねばなりません。
 斎藤知事は、内部告発文書が明らかになるや、客観性を担保できない県内部の調査だけをもとに、記者会見では「うそ八百を並べ立て…」などと断じて文書の内容を否定し、県人事課は元県民局長を解任、3月末での退職も認めないという一方的な処分を下しました。
4月になり、元県民局長が文書内容の一部を県の公益通報制度にもとづいて公益通報しましたが、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効や不利益な取り扱いの禁止を定めた公益通報保護法に反するようなかたちで、県は5月7日、元県民局長を停職3か月の懲戒処分を行いました。
 この間、県議会での質疑で告発内容の一部が真実であることが明らかになっていたにもかかわらず、また、斎藤知事自身が再調査のための第三者機関の設置を表明しながらもその調査を待つこともなく、「調査の前に処分ありき」の処分断行でした。
 これだけの経緯からも知事の対応には妥当性がなく、きわめて高圧的なものだといわねばなりません。
 この問題をめぐっては、その後、県議会によって疑惑の真偽を調査する百条委員会まで設置されるという事態に進みましたが、元県民局長の死亡という痛恨の事態に至るなかで、7月10日には県の職員労働組合が「もはや県民の信頼回復が望めない状況」だとして斎藤知事に「最大限の責任」を取ることを求める申し入れを行いました。
 そして、7月12日には斉藤知事の最側近と言われていた片山副知事が「県政混乱の責任を取って」と辞職届を提出するとともに、同副知事から斎藤知事に対して5度も辞職を進言したが断られたという事実も明らかにされました。
 
 いま、県政は混乱の極みにあり、斎藤知事と職員との間に不信感が広がっているばかりか、県民の間にも斎藤知事の責任を問う声が広がっています。
 斎藤知事自身は、これまで十分な謝罪の言葉もなく、任期を全うすると強弁していますが、県政の混乱の収拾のためにも、今日の事態と自らの責任を重く受け止め、即刻、責任を取って辞職することを私たちは強く求めるものです。

 
2024年7月16日
                                  新社会党兵庫県本部
委員長 粟原富夫(神戸市会議員)
新社会党近畿ブロック協議会
議長 山下慶喜(茨木市議会議員)