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「いのちと平和の碑」に36人追加
銘板は2267人に
神戸空襲犠牲者刻銘追加式

2024/06/02
「いのちと平和の碑」に新たに36人の銘板をとりつける遺族代表の2人=6月2日、神戸市

 神戸空襲を記録する会が2013年に神戸市中央区の大倉山公園内に建立した「神戸空襲を忘れない―いのちと平和の碑」。碑には神戸空襲犠牲者の名が刻まれ、14年以降は隔年で刻銘の追加が行われてきた。
 約70人が参列した今年の刻銘追加式は6月2日、碑の前で開かれ、36人の銘板が新たに追加されて刻銘は2267人になった。
 式典では遺族を代表して2人からお話があった。自分の学童集団疎開中に4歳の弟が須磨で6月5日の空襲に遭い火傷を負って亡くなったことを話した尼崎市の堺井さん(87歳)は、「これで弟の生きた証を残すことができた」と語った。
 大阪市の作田さん(63歳)は祖父母が花隈で3月17日の空襲に遭い、祖父は爆風で、祖母が防空壕の崩落で亡くなったと話し、難を逃れた現在97歳の父親から「碑のことをよろしく頼む」と言われて、今回の刻銘に至ったと語った。作田さんは父親から詳しく聞き取ってまとめた空襲などの話を自分の子どもや孫に伝えたいとも語った。
 また、ウクライナやガザの惨状を見て、この戦争を止めるために自分たちに何ができるだろうと考えたという鈴蘭台高校の福祉活動部員らが、2016年に先輩たちが体験者から聞き取って劇にしたという「愛犬はなのお話」を自分たちで紙芝居にして式典で上演した。