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学校行事として参加させないで
アイ女性会議ひょうごが兵庫県知事に申し入れ

2024/05/27
アイ女性会議ひょうごの代表が兵庫県に万博問題で申し入れ=5月27日、兵庫県庁内

 大阪・関西万博は開催まで1年を切ったが、パビリオン建設が遅れ、自前建設国も減少、そこに3月には建設現場でガス爆発が起こるなど、綻びが一気に現れている感がある。
 そんな中、かねてより大阪・関西万博開催は問題がありすぎると反対してきたアイ女性会議ひょうごは5月27日、斎藤県知事と県教育委員会に対し、大阪・関西万博に子どもたちを学校行事として参加させないよう申し入れを行った。
 兵庫県では4月11日、斎藤知事が県内企業3社と連携して県下の小中高生最大56万人を万博に無料招待すると発表している。
 しかし、万博会場は子どもたちを学校行事として連れて行くには問題が多すぎる。会場の夢洲はごみの最終処分場で地面下にはダイオキシンやPCBなど有害物質が埋まりメタンガスが充満。3月事故のようにいつ、どこで爆発が起こるかわからない状態だ。
 また、4月から10月の開催期間は線状降水帯の発生、台風、猛暑など自然災害の多い時期で、雨、風、日をよけるものがない人工島は危険ですらある。にもかかわらず、道路が橋とトンネルの2本しかない所では避難計画もいまだに立てられていない。
 その他、バス駐車場から会場ゲートまでは1㌔近くあり、低学年の子どもなら30分以上歩かなければならない、飲料水の現地確保が不可能で水筒を複数持参(会場内はキャッシュレス)、昼食をとる場所も屋根のある休憩所は来場者数に見合わないなど、およそ子どもたちに優しくない場所だ。
 おまけに見学パビリオンは割り当てがどこになるかわからなく、事前の下見もできない(学校行事では十分な下見は必須)。教育的意味もあるのかどうか疑問だ。
 申し入れで面談できた県の万博推進課の話では、兵庫県では6月末までに希望を取り、大阪のような強制はないとのことだった。大阪・交野市長が先日、市内13校の学校単位での参加を見送ると表明したが、子どもたちの安全を第一にし、兵庫県でも参加が強制されることのないよう注視したい。
(川辺比呂子)