新社会兵庫ナウ

水脈(2024年6月26日号)

2024/06/26
 遠い昔の日本で「官僚は一流、経済は二流、政治は三流」などと言われていた時が、たしかにあった。今に続く自民党政治の腐敗を揶揄しながら、一方で盤石の官僚組織と〝ジャパン・アズ・ナンバーワン〞と称賛される日本企業が、日本社会の将来を明るく導いていくという雰囲気を振りまくキャンペーンだったのだと思う▼だが、その世界の最先端を走ってきた日本の大手自動車会社がいま軒並み型式認証不正問題に揺れている。自動車の型式指定とは、同一型式の製品がすべて所定の基準に適合していることをあらかじめ国の審査と認証を受けることで、個々の製品検査が簡略化されるものだ。つまりは「信頼」がベース▼それを根底から覆したのが、昨年のダイハツに続く今度はトヨタ本体、さらにホンダ、マツダ、スズキ、ヤマハ……。豊田章男会長は会見で「ブルータス、お前もか」とか言ったらしいが、まさに型式認証不正のオンパレードといったところだ▼一流?二流の日本経済も化けの皮がはがれ、政治は相変わらず三流の自浄能力ゼロ。加えて鹿児島県警のとんでもない不正隠蔽。日本社会が最早このままでは立ちゆかないことを、ある意味、明瞭に示しているのではないだろうか。