新社会兵庫ナウ

水脈(2024年6月12日号)

2024/06/12
 大阪・関西万博のチケットの前売りが始まり、大阪府教育庁は万博無料招待事業について各学校に「希望する」か「未定・検討中」かを5月末までに回答するように求めていた▼交野市では小・中合わせて13校すべて「未定・検討中」で、「希望する」は1校も無く、〝踏み絵〞のように確認するのはいかがなものかと交野市長は学校単位ではいかなくてもよいとの態度表明をしている。「希望しない」の選択肢はなかったようだ▼この事業のための予算は19億円ほど。チケットは無料でも他の経費負担はどうなるのか。そもそもバスの確保が難しく、公共交通は乗り換えも多く、渋滞も予想される。暑さ対策、メタンガス爆発事故等の不安、子どもの安全確保など懸念は大きく、大阪の教職員組合は見直しを求めている▼兵庫県の斎藤知事も県下小中高生56万人を無料招待すると4月に発表しており、同様の意向調査をしているそうだが、すでに日本旅行神戸支店を事業者として選定している▼元旦の能登半島地震発生で、万博より被災地に人・資材を使うべきとの復興の声が大きくなっている。「カジノが目的の万博」としか言いようがない。東京五輪は金まみれだったが、万博では誰が儲けて、誰が泣くのか。