新社会兵庫ナウ

おんなの目(2024年6月12日号)
楽しかったワークショップ

2024/06/12
 先日、「女性党員・党友交流会」に参加した。以前、この欄に掲載されていた案内を読み、「困難をかかえる女性支援法」が4月施行されることを私も初めて知った。
 交流会の中で印象的だったのは、5〜6人のグループに分かれて、女性の一生を「子どもの頃、10代、働く場で、家族の中で、高齢になって」と区切り、「この中で『女性の困難』を感じたことは?」というテーマで、各自気付いたことをメモに書いて貼っていくワークショップだった。「女は大学にいかなくてもよいと言われた」、「まず父親からご飯を盛ることになっていた」、……、「非正規雇用のため妊娠したら解雇だと言われた」、「家族の中でも介護は女性の役割だと思われている」など。普段よく知っている人がこのような差別を経験してきたのだと知り、今までとは違った視点でその人を見ることができるようになった。
 私がメモに書いて貼ったのは、「子育てと仕事の両立」、「介護が女性の役割と思われている」、「家事分担の不公平」だった。私は、「将来親の面倒をみるひとりっ子」として「しっかり勉強して生活力のある大人になれ」と言われながら育ったため、もっと自由に生きたいと家制度への反発は感じていたが、「女性差別」を感じることはなかったように思う。
 女性の不公平を感じたのは働きながら子どもを育てた時期だ。学校職場だったので賃金など待遇の不公平はなかったが、1年間クラス担任として責任を果たさなければならないなど、男並みに働けという重圧は強かった。夫は一昼夜勤務で条件が厳しく、親と同居して何とか乗り切ったものの、次は親の介護で疲れ果て、結局定年まで働くことができず、55歳で退職した。退職した当時は、「『定年まで働ける職場を』と言い続けてきたのに、自分に能力が無かったからだ」とうつ状態だったが、いろんな経験をとおして少しずつ「自分を許してやろう」と思えるようになった。女性が働き続けることの大変さは身にしみて感じている。
 後日、灘の女性の集まりでこの交流会の感想を出し合った。
・「ワークショップ」について、「体験を出し合ったことで、身近なこと、自分と関係があることと思えた」「楽しかった」(多数)
・この法律を実効あるものにするためにも、「困難な女性」を支援する相談員は、非正規雇用ではなく常勤にすべき。(多数)
・相談する機会は増えても、経済的課題はどこで解決できるのか?自立していく手立てを見つけなければほんとうの解決にならないのでは。
・自分の小さい頃と比べると変わってきていると感じる。中学生の制服も今年からズボン・スカートが選べるようになった。LGBTについても報道でよく取り上げられるようになった。娘夫婦を見ていても2人でよく協力し合っている。
・相互の助け合いでは続かない。予算をしっかりつけるべき。―などの感想が出された。
 この貴重な法律を実効あるものにするために、これからも力を合わせていきたい。
  (T・T)