新社会兵庫ナウ

水脈(2024年5月22日号)

2024/05/22
 自民党の派閥のとんでもない裏金問題をきっかけに、報道の場で政治とカネ問題が突出し、政治資金規正法の改正など「政治改革」に焦点が当たることは至極当然だろう▼しかし、その一方で、安保・防衛に関わるきわめて重要な法案が、その中身が国民に十分知らされることのないまま成立しまっていることに空恐ろしさを感じる。それも三重の意味で▼法律の危険な内容にはもちろんだが、それらの中身を国会審議の段階でもあまり報道・解説していない報道機関の現状やその姿勢にもだ。そして、それらの法案に立憲民主党までが賛成に回ったことである▼10日、陸海空の自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」の創設を柱とする改定防衛省設置法が成立。これにより自衛隊と米軍の「指揮・統制」の連携への歩みが進む▼また同日、経済秘密保護法案(重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案)も参院で可決、成立した。政府が恣意的に決める「秘密」に関わる民間企業の労働者や大学の研究者も「適正評価」の名で思想調査を受け、「秘密」漏えいには罰則が科せられる▼岸田政権の「戦争する国」づくりへの暴走をさらに補強していく法整備の一環で、この政権は打倒しかない。