新社会兵庫ナウ

おんなの目(2024年4月24日号)
私にとっての労働運動

2024/04/24
 先日、兵庫県本部青年委員会単発学習会「いっしょに考えましょう〜労働者の権利 基本のキって何だろう〜」に参加しました。
 県本部執行委員の森正美さんから、労働運動の経験、働く人のいのちと権利を守ること、労働運動のはじめ方など、貴重なお話を聞くことができました。
 私はこれまで2度転職し、現在4社目の会社に勤めていますが、労働運動を行ったことはありません。
 17年間ずっとITの仕事をしていますが、過去に勤めた3社では、他社のシステムを受託開発・運用する請負案件ばかりで、納期が近づき毎日3.5時間ほどの残業が続いて不満が溜まっても、長くて2ヵ月ほどで状況が変わり(納期の山場を越えたり、納期が延びたり)、時間外残業手当は出るので一時的に手取りが増えました。そして案件が変わり、残業はなくなり不満も薄れる、ということを繰り返してきて、職場改善を訴えようと思ったことがありませんでした。残業が続いているのは今だけでずっと続くものではない、ということが分かっていて、当時の上司に次の案件では前のような残業続きにはさせない、と言いくるめられていたからだと、今では思います。
 現在勤めている会社では、自社システムの運用・保守を行っており、一昨年夏から1年間は新規システム開発チーム担当となったため、ほぼ毎日1〜2時間の残業が続きました。上司からは、新システムリリースが終わるまで耐えてほしいと言われていましたが、リリース延期が2度あり、いつまで残業が続くか分からない中で、1日の残業時間が少なくても長期間残業しなければならない状況は、体力的にも精神的にも辛かったです。
 また、追い打ちをかけるように、家に帰ると父から、私の残業が減らないのは私が労働運動もせず会社の都合の良いように働いているからだ、と説教されました。しんどい日々でしたが、父のおかげで、円安、物価高でも賃金の底上げを図ろうとしない会社の姿勢に対して、私にも疑問が出てきました。
 労働運動というと、会社と対立して要求を通すためにストライキをする、という強引な印象がありましたが、先日の学習会の森さんのお話を聞いてから随分変わりました。
 森さんの労働運動の経験は、困っている人の意見を雇用主側に伝え、困りごとを解決・調整されていて、弱者に寄り添った行動だと感じました。
 私も自分のためだけではなく、一緒に働く仲間のためにも、労働者の権利を守り、労働環境を良くするための行動を起こそう、会社への要求をまとめて会社に伝え交渉するという労働運動をやってみよう、と思いました。まずは、職場の人たちと集まって話し合うところから。
(井上明子)