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王子公園と神宮外苑の運動をつなぐ
集会に200人が参加
「王子公園・市民ミーティング」実行委員会が集会開催

2024/01/28
【写真説明】 神宮外苑の運動に学び連帯しようと200人が参加してロッシェル・カップさんの報告を聴いた=1月28日、神戸市灘区
(写真下)報告するロッシェル・カップさん=1月28日

 
 神戸市は王子公園再整備にともなう大学誘致計画をめぐり、昨年末に関西学院大学と基本協定を締結した。公園の一部3・5㌶を大学に100億円で売却し、これによって多くの人に利用されている運動施設等を廃止・縮小する計画がさらに進むなか、「王子公園・市民ミーティング」実行委員会は1月28日、「王子公園と神宮外苑をつなぐ大集会」を灘区の動物園ホールで開き、約200人の市民が参加した。
 この集会は、神宮外苑の再開発反対の運動に学び、連携することで運動の質・量のアップをはかることを目的に開催されたもの。全国的にも都市公園をめぐっては「再開発・再整備」の名のもとで公園樹木の伐採などが強行されようとしている事例が多く、神宮外苑再開発では外苑の歴史的文化的遺産・イチョウ並木と100年の森を守ろうと故・坂本龍一さんなど多くの人が憂える声をあげている。
  集会は、矢谷トモヨシさんの「王子公園こわさんといて」の歌でスタートし、小林るみ子同実行委員会代表からはパワーポイントを使ってこれまでの経過や運動の取り組みが報告された。
 つづいて神宮外苑の運動の中心を担っているロッシェル・カップさんによる神宮外苑をめぐる運動の紹介が行われた。カップさんはまず、「神宮外苑の樹齢100年以上の古木を含む約1千ホン以上の樹木が伐採される恐れがある。これは、日本の『もったいない』の精神に反し、環境破壊を招いている」と批判。王子公園再整備をめぐっても「樹木の大切さや公園の重要性が理解されず、環境アセスも実施されないことはおかしい」と指摘。神宮外苑と王子公園再整備の共通点として、市民参加のプロセスがないこと、広い敷地は開発者にとって”美味しい”こと、自治体は収入が欲しいため「成果」になるものを作りたがることなどをあげた。
 カップさんは最後に、運動をSNSで情報発信する、政治家に声を伝える、環境を守るために法整備の活動をする、などのことを市民自身がやっていこうと訴えた。
 参加者からの質疑・意見交換も活発に行われたあと、集会は「共同宣言」を確認した。「宣言」は、「基本協定を締結したからといって、王子公園再整備計画はまだ決まったわけではない。これからの闘いが正念場、王子公園の未来をかけた分岐点となる。本日の集会を神宮外苑や王子公園をはじめとした全国の闘いと連帯し新たな運動を構築していくステップにしよう」とアピールしている。
 集会の最後に、王子公園の一部を大学用地エリアに用途変更することを審議・決定する都市計画審議会が開催される2月5日には市役所前でスタンディング行動、傍聴行動などを行っていくことや、神戸市や関学に住民説明会を求めていくことが今後の行動として提起された。
(中村)