新社会兵庫ナウ

おんなの目(2024年2月14日号)
辰年は人命最優先の政権を

2024/02/14
 地球の環境汚染に龍が怒ったのかと思うような、たいへんな年明けとなりました。冒頭に能登半島地震で亡くなられた方の御冥福をお祈りし、被災者の皆さまにお見舞い申し上げます。
 石川の被災地の映像を見るにつけ、29年前の阪神・淡路大震災の記憶が蘇ります。建物の崩壊や火災等は「ああ、あの時と同じや」と思うのですが、避難所の様子等のニュースを見聞きするにつれ、「30年近く経ったのにほとんど進歩してないやん!」という思いが強くなります。まずは初動体制のお粗末さです。自衛隊はやっぱり「災害救助隊」ではない!潰れた家屋を覗いて「誰か居ますか〜」と声をかける姿を見て、こんなに科学技術が進んでいるのに、センサー捜索とかできないの?とか、道路がダメならヘリとか船とかで物資とかをすぐ運べないの?とか、素人考えだけどヤキモキしました。
 それに冷たい床に寝ておられる高齢者や仕切りもない体育館の映像を見るにつけ、胸が痛くなります。実際、持病持ちの高齢者が震災関連死していますし、阪神・淡路の時はプライバシーの無い中で、女性たちがたいへんな恥ずかしい思いをし、また、レイプ等の性犯罪も起こったのです。あれだけ南海トラフ地震の危険が言われているのに、全国の避難指定場所に災害対策用の簡易ベッドやテント式のプライベートルーム等を備蓄用として国が配ることくらいのことをしておくべきではないですか⁈今はコンパクトに収納できる「スペパ」(スペースパフォーマンス)商品がたくさん出ているのですから。
 もし寝たきりの母が居た時に私が震災に遭ったら……と思うとゾッとします。石川ではきっとそんな方たちが逃げ遅れたり、たいへんな思いをされただろうと思います。小さな子どもや障がいのある方とそのご家族もしかり。1・5次避難とかの措置が割と早めに執られたのは、29年前よりは進歩したと思いますが、環境の変化に弱い方々がさらに新たな避難先にバラバラにされていくのは、東日本大震災の時に被災者が転々とされた中で弱っていかれたことが重なり、心配になります。
 また、高齢者や障がい者に寄り添い施設で働く介護労働者のご苦労は想像に余りあります。ご自身や家族も被災された中できっと家にも帰れず、また、出勤できない職員もいる中で、人手不足で夜も寝ずに必死で、壊れた施設の中で工夫しながら高齢者や障がい者のお世話をされていることでしょう。介護職員の応援を全国に要請しているらしいが、こんなに介護職を冷遇している日本全国、どこの施設も応援を出せるような余裕は無いはずです。
 パフォーマンス見え見えにヘリで避難所の1階だけチラッとのぞき、「避難所生活で困っていることは無いですか?」と言った岸田総理。無いわけが無い!質問の仕方がおかしい!想像力が無いのか?被災者に「困っている事だらけです」と言われていました。
 人の命より、軍事や金が大切な政権は覆せねばなりません。辰年は政変の年なのです。(1月16日記) 
                 (菊地真千子)