ひょうごミュージアム

ひょうご描き歩き147
生田神社(神戸市中央区)

2024/02/14
 長田神社、湊川神社とともに神戸を代表する神社の一つで、地元では「生田さん」で親しまれている生田神社は日本書紀には3世紀頃と記載されているが、かつては新神戸駅の奥にある布引山に鎮座していたものが8世紀頃に現在の場所に遷されたとのこと。
 神戸朝日ホールの前の一の鳥居から始まる参道は三宮センター街を抜けて北上し、生田新道を越えて二の鳥居に達し、境内に入ると先に三の鳥居と楼門があり、この門が参拝者を最初に出迎えてくれる。社殿が新しいのは、あの阪神・淡路大震災で無残に倒壊したため。数々の災害や戦災で甚大な被害を受けながらも強く蘇ったことから「蘇る社」としても信仰されている。
 社殿の背後に源平合戦の舞台にもなった鎮守の森「生田の森」が広がり市民の憩いの場となっている。枕草子には「森は大あらきの森、信太の森、生田の森」と紹介され、藤原定家は〈秋とだに吹きあへぬ風に色かはる生田の杜の露の下草〉と詠んだ。樹齢数百年の「楠の神木」があり、幹に触れて気を戴く参拝者もいて街中のパワースポットにもなっている。「生田神社震災復興記念碑」、「包丁塚」、最近建立された「かまぼこの発祥地」の碑などもある。
 この神社の神様の世話をする「神戸(かんべ)」が作られ、それが神戸の地名の由来になったと言われている。
(嶋谷)