ひょうごミュージアム

ひょうご碑物語73
非核平和都市宣言の碑(姫路市安田)

2023/12/13
 姫路市は、「平和憲法にのっとり、核兵器を作らず、持たず、持ち込ませずの『非核三原則』を将来とも遵守し、あらゆる国のあらゆる核兵器の廃絶を全世界に強く訴え、核兵器の全面撤廃と軍縮を推進し、もって世界の恒久平和を目指し」て、1985年、「非核平和都市」を宣言した。
 碑の前文には「青い空、清らかな水、豊かな緑を保ち、明るく平和な生活を守ることは、姫路市民の願いである」とある。このことは姫路市民の総意であるのだろう。
 日本国憲法が「平和憲法」と言われるゆえんは、世界の中で唯一「戦争はしない。軍隊は持たない」と明言している憲法だからである。そして、民主主義を徹底し、人権を尊重する。これらは密接に絡み合い、いずれが欠けても日本国憲法は成り立たない。
 しかし民主主義は、改ざんや忖度や専制によってもろくも崩れるデリケートな面も持っている。市民が絶えず関心を示し、民主主義を守る強い意志を持ち続けなければ、「非核平和都市」はたちまち絵に描いた餅になってしまうだろう。言い換えるなら、この宣言は姫路市民に平和のために行動することを促している。
(森山)
【メモ】JR姫路駅より南へ1・3㎞にある姫路市役所の敷地内に設置。