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総会と講演会で
介護保険問題で集中討議
安心と笑顔の社会保障ネットワーク

2023/10/29
【写真説明】介護保険改悪反対の取り組みの強化などを確認した安心ネット=10月29日、神戸市中央区
 
 安心と笑顔の社会保障ネットワーク(略称=安心ネット。菊地憲之代表)は10月29日、神戸市内で第8回総会と講演会を開いた。総会では介護保険改悪をめぐる情勢を確認し、当面の取り組み方針などを決定。介護保険改悪に関する要望書を神戸市に申し入れることを確認した。
 講演会の講師は日下部雅喜さん(大阪社会保障推進協議会)。日下部さんは、介護保険改悪のひとつの焦点である「利用者負担の原則2割化、2・3割負担の対象拡大」について、デイサービス、訪問介護、介護ベッド、車いすを利用する要介護3の高齢者を例に、「現行の1割負担だとひと月の費用負担は2万6千余円だが、2割負担になると5万円強となる。これでは年金暮らしが破壊され、介護サービスが使えなくなる人も生まれる」と問題点を指摘した。
 会場からは、「この8月まで介護職として働いてきたが、介護保険は悪法だ。事業者は利益追求し、安い給料で働かす。『おかしい』との思いが強くなってきた。ケア労働者の処遇改善は公務員化をめざしていくべきだ」、「介護職員の賃金引き上げは全額国庫負担で行えとの講師の提案に賛成。神戸市への要望書には市として独自に介護ヘルパー賃金への市税投入を含めた援助を明記してほしい」、「医療と介護で長生きできた高齢障がい者だが、どう生活を維持するのかについて学んで賢くなりたい。詐欺と思える介護保険はおかしいことばかり。年金は上がらず、物価は高くなる。どう老後を過ごすか、意見を出せる場をもっと作っていくべきだ」などの意見や質問が出された。
(菊地)