姫路の“ブラック病院”で不当解雇
 　姫路ユニオンの組合員2人が突如、2月末をもって解雇された。解雇したのは姫路田中病院、本欄では「姫路市郊外にあるＡ病院」という表現で今回が4度目の登場となる“ブラック事業所”である。
　郵送されてきた解雇理由証明書には、被解雇者両名は、①就労中の不適切行動、勤務態度に問題があり、②裁判所が指定した（病院が申立てた民事調停の）期日に出頭しないなど話し合い自体を拒否し、③職員としての服務意識が著しく欠如しているため雇用契約の維持が不可能である、といった解雇理由が示されてあった。
　あきれ果ててコメントする気にもならない。この程度のことで労働者のクビを簡単に切れるとでも思っているのだろうか。念のために言うと、①については「でっち上げ」、②については、組合員両名は２度裁判所に出頭しており、病院側の申立てを正しいものとして調停が進められることに対して、「簡易裁判所に赴く労力を考えると、直接の話し合いによる解決を図るべきである」と主張し、３回目の出頭に応じなかったというのが真実である。①②は、③の結論を導き出すための後付けの理由であると言える。
　本件について上原康夫弁護士に相談したところ、弁護士は、解雇の理由がないとした上で、病院側が示す解雇理由について「仮に①の理由が正当であるならば、②の民事調停を経ないで③の結論に至れば良いはずであって論理に矛盾がある」と指摘された。
　また、弁護士のアドバイスに従って団体交渉の申入れを行ったが、予想どおり団交は拒否され、あろうことか、被解雇者両名が「自ら主張する権利を実現するためには、訴訟手続以外に方法がないことを申し添えます」と回答書にわざわざ添書きがしてあった。余計なお世話である。姫路田中病院は余程、自分たちの行いが正しいものと思い込んでいるらしい。
　私たちは現在、解雇撤回ならびに不当労働行為の認定を求めて訴訟の準備を進めている。