新社会兵庫ナウ

おんなの目(2020年5月19日号)

2020/05/26
家籠りで思うこと
 さて、最初にお断りを。今回、この原稿を人生最大のヒマの中で書くことになりましたが、重苦しいコロナニュースに毎日どっぷり浸かっていると脳みそが働かず、気楽な内容でお許しあれ(笑)。
 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、緊急事態宣言の要請に従うことに抵抗感を感じながらもずっと家に籠っています。仕事でそれができない人には申し訳ないですが、朝の1時間の運動と週1回の買い物以外はずっと家にいます。
 この間、毎日のように断捨離をしています。衣類、資料、不用品、雑誌、本。もう捨てるものがなくなってきました(笑)。家の中はスッキリ。今までにも2回の引っ越しのたびにモノを捨ててきましたが、そのたびになかなか捨てられないのが、思い出や思い入れのあるもの。ハガキ、手紙、仕事や活動の資料など。でも今回はいつも以上に思い切って捨てました。もう死ぬまで見ることはないと思って……。多分、済んだことを振り返るより、今を大事にせなアカン年齢になったからでしょうね。
 なかなか実行できていないのですが、その時に読んだものはその時に習得し、できるだけ捨てる。モノはできるだけ買わない。でもそれはあくまでも目標。
 運動は、近所の住吉川河川敷でジョギングやウォーキングをしているのですが、なんと今までに見たことのない人たちがたくさんいます。特に今まで運動をしていなかったような中高年のおじさんたちがフウフウ息を切らしながら一生懸命に走ったり、歩いたり。思わず「ファイト!」と声をかけてしまいそうです。多分、今まで休日は家でゴロゴロしていたような若いお父さんが子どもたちと歩いたり、川で遊んだり。子どもたちはみんな何かうれしそうで。大きな子どもたちもほたえながらたくさん遊んでいて。思わず私の顔もほころんでしまいます。またたくさんの若い男女も走っていて、ちなみに中高年女性は元気よく歩いています。
 コロナが収束して、いろんな「自粛」が解除されてほしいのは誰しも思っていることですが、この河川敷の風景は続いてほしいです。こんな余裕が当たり前の日常に。
 東京に住んでいる息子は3月中頃からずっとテレワークですが、おかしいことに今までよりも健康的な暮らしができているのです。共働きの妻は2人目を妊娠中で最近やっと休職になったのですが、長女は保育所が休園になり家にいます。そんな中ですが、いつもは毎晩11時頃に帰宅し、子どもの顔も見れず、夕飯もままならない生活だったのが、今は家族3人そろって夕飯を食べられるといいます。そんな当たり前の生活がどれだけ大切な事かと思います。
庶民の生活は、こんなことが起こる前からいろんな面でとうに限界は超えています。弱者にしわ寄せ―。今回そのことがさらにどぎつく露呈しています。人の暮らしで何が大切なのかを分からない人が、首相をしてたらアカン、国の金庫番をしてたらアカン。コロナで死ぬ前に、安倍政権の無策に殺されてしまいます。書いているうちに怒り心頭。悪しからず(笑)。
(新原三恵子)