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広げよう!来年秋の一本化反対
STOP!マイナ保険証 市民の集い
問題多すぎ マイナカード

2023/09/23
【写真説明】(上)講師の白石孝さんはマイナンバー制度、マイナカードの基本的な問題からマイナ保険証の具体的な問題点まで詳しく解説した=9月23日、神戸市長田区 (下)講演する白石孝さん
 
 「健康保険証」を来年秋に廃止して「マイナカード」に一本化する法律が成立したが、不安・不信・疑問が広がっている。判明している問題点、実施後に予想される問題、政府がマイナカードの普及を急ぐ理由などについて理解を深める市民の集いが9月23日、長田区内で開かれ95人が参加した。主催は憲法を生かす会・西神戸連絡会(兵庫、北、長田、須磨、垂水の各会で構成)。白石孝さんの講演と現場からの報告を受け、世論を変えるインパクトのある課題なので、工夫を凝らして運動を広げ合うことが確認された。
 
 白石孝さん(プライバシーアクション代表)の講演は39枚のPDF資料に基づいて詳細にわたった。以下はその要旨。

《「番号」は日本居住者全員にすでにつけられているが、「カード」取得は任意。「カード」に個人情報を紐づけし、政府と様々な企業が活用しようとしている。
 マスコミの報道も嘘が多い。国によってカードの扱いは千差万別。身分証としていない国は多く、イギリスはカードそのものがない。
 民主党政権案は「社会保障・税・災害対策」に限定していたが、13年に安倍政権で法案は成立。監視社会にし、金儲けの手段として活用するものに変質した。
 住基ネットは「自治事務」だったが、マイナンバーは「法定受託」で政府の指示に従わせる制度に。
 マイナ保険証は、カード取得の事実上の義務化と医療情報のデータベース化が目的だ。医療・介護現場は大混乱。特に介護では取得困難者が出る上に、管理が難しく、労働者不足で対応できない。
 システム構築もお粗末で、セキュリティ対策も脆弱。制度・システム設計の根本的な転換が必要だ。》

 講演後は、3つの現場からの報告を受けた。
 ろっこう医療生協から、「熱中症で運びこまれた方は顔認証ができなかった。介護業務では暗証番号の管理など深刻な課題になる」。
 市の窓口では、「事前に丁寧な説明がなく、駆け込み申請で混乱。本人申請が徹底されていない。カードをすぐにもらえると思っている人、ポイントはキャッシュでもらえると信じ込んで怒り出す人などの対応に追われた」。
 神戸土建労組からは、「大工さんや左官屋さんの独自の健康保険を運営している(建設国保)。マイナ保険証になれば、組合の組織活動が弱まる」などの報告。
 最後に、「マイナカード問題は内閣支持率を大きく下げるほどインパクトがあり、身近な問題だ。議論を広げ、保険証廃止反対の署名に取り組み、一体化を廃案にするために頑張ろう」とまとめられた。(佐野)