新社会兵庫ナウ

水脈(2020年4月28日号)

2020/04/28
 コロナ感染の猛威がどれほど大変なものか、それを示すものが、普段は耳や目に馴染みのない言葉の氾濫であろう▼パンデミック、オーバーシュート、濃厚接触、三密、社会的距離、医療崩壊、エクモ、PCR検査……いささか不謹慎なことをいえば、これでは年末の流行語大賞が大変だろう。これらの言葉の中に、次の世の中を大きく動かず蠢(うごめ)きが隠されているのかもしれない▼初見参ではないが、耳にする頻度が桁違いになった「テレワーク」という言葉もある。テレワークの態様はさまざまだろうが、法律で決められているはずの労働時間、労働衛生、労働規律などはどうなるのだろう▼そんなことは問題にさえならないか(ということは、現在の力関係では会社のいいなり)。「光熱費なども含めて“事務所”家賃」はなし、気がつけば家族全員が会社の規律下に▼近所の公園で遊ぶ子どもの声が「テレワークの邪魔になる」と怒鳴りつけた人もいるとか▼テレワークは、コロナ感染が終息した時、一部は残り、一部は続くかもしれない。その時、事実上は合理化推進となっている“働き方改革”とあいまってテレワークは人減らし、権利消滅のレールになっているかもしれない。それは、許すまい!