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沖縄を再び戦場にするな
三上智恵監督のスピンオフ作品上映 明石
山城博治さんも沖縄から訴え

2023/09/09
【写真説明】午後の部ではオンラインで沖縄から山城博治さんの報告を受け質疑応答を行った=9月9日、明石市勤労福祉会館

 ここ数年、急ピッチで進む南西諸島の軍事要塞化。それは沖縄を再び戦場と化する戦争準備に日々つき進んでいる現実にほかならない。だが、「すでに戦争が始まっているような」この現実に対する危機感が一向に全国で共有されていないことを憂う三上智恵監督が、来年4月完成予定で新作のドキュメンタリー映画「沖縄、再び戦場(いくさば)へ」(仮題)を制作中だ。その完成までの間、刻々と変わっていく予断を許さない状況を伝えようとこの映画のスピンオフ作品をつくり、全国での上映を呼びかけている。
 
 こうしたなか、憲法を生かす会・明石は9月9日、「沖縄、再び戦場へ」スピンオフ上映会を午前と午後の2回、明石市勤労福祉会館で開いた。午後の部では沖縄の山城博治さん(ノーモア沖縄戦・命どぅ宝の会共同代表)とオンラインで結んで現地からの情勢と闘いの報告を受けた。
 スピンオフ作品は2019年3月の宮古島の出来事から始まる。地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊、警備隊あわせて800人規模の陸上自衛隊駐屯地が開設される計画の宮古島で先発の宮古警備隊380人の「編成完結式」が行われた映像だ。やがて、「保管庫」という名の弾薬庫の建設、誘導弾ミサイルの配備へと進んでいく。石垣島、与那国島でも弾薬庫の建設、ミサイル部隊の配備だ。こうした基地群は、戦争時の攻撃対象にほかならず、ひとたび有事が起きれば南西諸島、そして沖縄はかつてのような戦場になることを意味する。
 作品では今年1月、那覇市で行われた、災害ではなく弾道ミサイル発射を想定した避難訓練の様子も紹介される。
 さらに、スローガンやデモのあり方など新しい運動スタイルをめぐる様々な議論を重ねて若者が積極的に行動に参加した広がりも描かれている。
 南西諸島の基地化反対運動でもリーダーとして活躍の山城博治さんからは、南西諸島の要塞化の背景となっているアジア人同士で戦わせるアメリカのアジア戦略が説明され、台湾有事による沖縄の戦場化は、沖縄だけの問題ではなく、全国の課題であることを指摘した。
 そしていま、沖縄の島々をすべからく軍事利用する戦略のなかで、沖縄では何としても「沖縄を戦場にさせない県民運動」をつくるための組織の結成が必要だとの思いを強調し、全県組織を立ち上げるための準備委員会をつくって議論を重ねてきたことを紹介。昨年12月27日から議論を始め、今年7月25日、「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」を60数団体で立ち上げ、9月24日に設立集会を行い、11月23日には大集会を予定していることなどが報告された。