新社会兵庫ナウ

若者のひろば(2020年4月28日号)

2020/04/28
「『保活』を通して思ったこと」
 
 3月で1歳になった子をもつ親です。私自身は保育所に通ったことが無く、母には「小さい頃から保育所に行かせてまで働かなくても良いのでは」と言われました。しかし、共働きでないと経済的に厳しいこと、見学したら子どもたちが友達と楽しそうに遊んでいて良いなと思ったことから、「保活(※1)」をすることにしました。まだまだ、希望するすべての世帯が保育所を利用できる社会になっていないことを感じた日々でした。
 全国的に認可保育所は、その世帯が保育を必要とする事由等を点数化して、この点数が高い世帯から入園を認めるという仕組みになっており、神戸市でも同じ方法が採用されています。夫も私も正社員のため基本点は200点あるのですが、共働きが多い今、我が家から通いやすい3ケ所の保育所は、200点でも足りなくなっています。第一子のため「きょうだい加算(※2)」もありません。そこで「認可外保育施設等を週4日以上、有償で利用し」、復職することで、調整点数が5点加算されるようにしました。これは恐らく、200点の世帯が多いため差をつけさせるとか、すでに就労しているとなれば優先的に保育を提供しなければならないとかいう理由の加算だと思います。ただ、みんな考えることは一緒なので、近くの認可外保育施設も入るのが難しくなっています。
 そこで、隣の区の認可外保育園まで電車で送迎する毎日を過ごしました。
 この「保活」の成果があり、4月からは近くの保育所に通えることになりました。しかし、この選考方法には疑問を感じます。なぜならば、基準を満たした訳ではない認可外保育施設への誘導になるからです。我が子がお世話になった認可外保育施設は、オープンしたばかりだったため、まだ子どもの人数が少なく、保育室の広さにゆとりがあり、保育者の目が行き届いているように感じました。
 しかし、全員が有資格者の認可保育所とは違い、半数は無資格者でした。全国的に見ると、認可外施設は認可に比べて25倍以上の死亡事故発生率だそうです。
 認可の保育所を増やすことは、親が安心して働けるようになることであり、社会全体にとってメリットがあると思います。保育士の処遇を改善し、子どもに対する保育士の数を増やして欲しいです。
(関本英恵)
 
(※1)子どもを保育所等に入園させるため保護者が行なう活動。
(※2)すでにきょうだいが保育所等を利用している場合は8点、きょうだいが同時に申込をする場合は5点が加算される。