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ひょうご描き歩き142
五百羅漢(加西市北条町)
2023/08/30
北条町から福崎に向かう県道の途中の中国自動車道の下をくぐる近くに羅漢寺があり、ここに四百数十体の石仏が群をなす県指定文化財の五百羅漢がある。17世紀前半に造立されたのではないかと推測はされているが、「いつ頃、だれが、何のために」これを造ったのか、史実、資料、確かな言い伝えも一つとして存在しない謎の野仏群である。
その石仏の表情は多彩で2つと同じ顔のものはない。怒った顔、かすかに笑みをたたえた顔、悲しげな顔、穏やかな表情の顔、瞑想する顔、語り掛けてくるような顔。古くから「親が見たけりゃ、北条の西の五百羅漢の堂にござれ」とうたわれ、素朴ながら表情豊かなその姿に、必ず親や子に似た顔があると言われている。
誰が、何を思いながら、どんな祈りを込めて五百体もの石を刻んでいったのだろうか。1人ではなく何人かが造ったのではないだろうか。ひたすらな古人の信仰の心、純粋さに今も多くの人々は閑寂の昔を偲び、何か郷愁めいた憧れを呼び覚まされる。永い風霜で石仏の色はさび、姿は風化しているが、現代人に何かを語りかけるような石仏、野趣豊かな野の仏である。
ここの石仏群は、大分県耶馬溪山、山梨県吉沢の羅漢とともに全国的に有名とか。
(嶋谷)
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その石仏の表情は多彩で2つと同じ顔のものはない。怒った顔、かすかに笑みをたたえた顔、悲しげな顔、穏やかな表情の顔、瞑想する顔、語り掛けてくるような顔。古くから「親が見たけりゃ、北条の西の五百羅漢の堂にござれ」とうたわれ、素朴ながら表情豊かなその姿に、必ず親や子に似た顔があると言われている。
誰が、何を思いながら、どんな祈りを込めて五百体もの石を刻んでいったのだろうか。1人ではなく何人かが造ったのではないだろうか。ひたすらな古人の信仰の心、純粋さに今も多くの人々は閑寂の昔を偲び、何か郷愁めいた憧れを呼び覚まされる。永い風霜で石仏の色はさび、姿は風化しているが、現代人に何かを語りかけるような石仏、野趣豊かな野の仏である。
ここの石仏群は、大分県耶馬溪山、山梨県吉沢の羅漢とともに全国的に有名とか。