ひょうごミュージアム

ひょうご碑物語69
歩兵第三十九聯隊の碑(姫路市本町)

2023/08/09
【写真説明】戦時中は「軍都」と呼ばれていた姫路にはこの碑をはじめ他の隊の顕彰碑も城周辺に多くある

 戦時中、姫路は「軍都」と呼ばれていた。現在、市民の憩いの場になっている大手前広場では、当時、軍事演習が行われていたと言う。
 写真の碑には、「歩兵三十九聯隊は日清戦争後姫路に創設せられ第二次大戦の終るまで姫路城内に屯し文武両道を練磨すること五十有余年平時は国家の中堅となり出でては北満より南洋に至るまで勇躍國難に当たり嚇々たる偉勲を樹つ」とある。姫路城周辺には、他の隊の顕彰碑もあるようだ。
 日本は、明治維新以降は一転して戦争をする国となった。この第三十九聯隊も50年余の歴史がある。
 人間は目の前で実際に起こっていることを現実とし、それを土台に真実とは何かを考える。50年も戦争状態が続くと、これは人間の性だと思ってしまうのだろうか。福沢諭吉も日清戦争を「文野の戦争」と肯定したし、あの心優しい「ゴン狐」の作者・新美南吉も「人間と戦争は切り離せないもの」と言ったと言う。
 アメリカの元海兵隊員のアレン・ネルソン氏は、「日本の子どもの表情から、戦争を知らないことが分る」と言った。平和憲法が国民を守ってくれているからだ、と言う。(森山)
【メモ】JR姫路駅から北へ徒歩約15分の姫路城の西隣、好古園のすぐ南。