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公園と防災・減災を考える
かがく教育研究所長の觜本格さんが講演
王子公園を守るための「連続市民セミナー」

2023/07/15
【写真説明】「阪神・淡路大震災から学んだこと」と題した觜本格さんのお話に学んだ=7月15日、動物園ホール
 
  神戸市が進める、”市民不在の再開発”ともいうべき王子公園の再整備計画から「市民の財産である王子公園を守ろう」と、計画への市民の参画などを求めて活動に取り組む『王子公園・市民ミーティング』実行委員会が運動の理論面での強化の一環として企画した「王子公園を守るための連続市民セミナー」の第2回が7月15日、動物園ホールで開かれた。
 「住民自治と公園」をテーマに中川智子・前宝塚市長が講師を務めた第1回に引き続くもので、第2回は防災・減災がテーマ。かがく教育研究所所長の觜本格(はしもと・いたる)さん(元神戸市中学校理科教師、元神戸親和女子大学教授)が、「阪神・淡路大震災から学んだこと」として、市民が主人公のまちづくりと、命を守る防災・減災の課題について講演した。
 觜本さんはまず、NHKの「ブラタモリ」に出演した時の裏話を面白く紹介して参加者の気持ちを和らげながら、「六甲山地は何度も地震を起こして高くなった」と地震の科学的な話、兵庫県南部大地震の話へと進んだ。そして、阪神・淡路大震災の経験から学んだこととして、「ふだんからの豊かな人間関係こそが防災対策」など5つの提言を紹介して、必ずやってくる南海トラフ巨大地震に備える防災・減災のポイントを提起。「王子公園を市民のための減災・防災拠点に。誰でも気軽に集い、歩く空間こそが大事で、動物園と公園と広場を次世代に残そう」と訴えて講演を締めた。
 セミナーの最後に金丸正樹・同実行委員会事務局長が今後の行動を提起。運動の地域的なエリアと年代を広げる課題を意識しながら、①関学に応募の取り上げを求める署名は1万筆を目標に(7月18日現在7,200筆を突破)お盆前まで続ける、②8月27日に、大学誘致のために王子公園の今ある諸施設がなくなって困る多くの人たちを集めた大集会を開く、などの行動計画を呼びかけた。